2020年5月14日木曜日

楽観的な政府と悲観的な国民のチグハグな関係 コロナウィルス・フランスのロックダウン解除


Accès à la plage à Soulac sur le littoral Atlantique


 フランスのロックダウンが解除になって、まだ、数日しか経っていないのに、解除が、どんどん進んでいく様子が、伝わってきます。私の携帯にも、いくつものお店から、「再開しました!」とメッセージも来ているし、家の外では、工事が始まったらしく、機械を動かす、ドドドドド〜ッという音が聞こえてきます。

 しかし、工事の音とともに、反対側の窓からは、相変わらず救急車のサイレンが一日に何度も聞こえてくる、微妙な状況なのです。

 街が解放されるにしたがって、ロワールアトランティックのラボールとポルニシェのビーチ、およびヴァンデのサブルドロンヌとイルデューのビーチなどが、条件付きで営業が始まりました。後に続けと、その他の多くのビーチも営業解禁を求める動きが始まっています。

 これから気候が良くなっていき、バカンスシーズンに突入するに当たって、それぞれの地元も必死なのは、わかりますが、2ヶ月間の監禁生活が開けた、数日後にもう、ビーチの解禁とは、少々、面食らいます。

 また、クロロキン(本来は、マラリアの治療薬)を使ってのコロナウィルスの治療に成果をあげて、一躍、ヒーローのような存在になった、マルセイユの大学病院で、感染症専門医として研究を続ける Prof.DIDIER RAOULT(ディディエ・ラウルト教授)が、ロックダウン解除の翌日に、「ウィルスの感染は、じき、収まる」と再度、発表したり、政府も、ますます、楽観的な体制に入り、解除になる前の週から、明るい見通しのアピールのつもりか、マクロン大統領も一切、マスクをしなくなり、7月14日の革命記念日(パリ祭の行われる日)には、コロナウィルスと現場で戦った人に、メダルを捧げて、その貢献に感謝を捧げる、革命記念日は、その労いの場にもしたいと発表しています。

 そんな政府の対応とは裏腹に、13日に行われた世論調査では、国民の68%は、感染拡大の第二波が来ると答えており、もっぱら悲観的な意見が多くを占めています。

 政府がそこまで強気の姿勢でいるのは、ある程度のデータからの科学的な分析に基づいているものであるに違いないと思いつつも、サンマルタン運河での人出に続いて、マスクもせずに、サクレクール寺院の前の階段広場に多くの人が集まったりしているニュースを見ると、どうにも心配な気持ちは、拭いきれないのです。

 この政府の強気な姿勢と国民の悲観的な世論、それでも外に出て、人と集まることをやめないパリジャンのチグハグさが現在のフランスの微妙な状況を物語っています。

 












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