2020年5月2日土曜日

ロックダウン解除に向けて、圧倒的にマスクが足りないフランス


Image de masques FFP2, ici vendus à Amsterdam.


 昨日から始まった、ロックダウン解除予報から、解除が見込める地域を始めとして、今、それぞれの地域で頭を抱えているのがマスクの確保です。

 感染が広がり始めた当初は、政府も、「一般人のマスク着用は、意味がない。」と言っていたのに、さすがに、「マスクは、した方が良い。」に変わり、フランスでも、3週間前くらいまでは、ほとんどの人がマスクをしていました。

 ここへ来て、すっかりロックダウン解除気分で、気が緩んでいる人が増え、驚くほどマスクをしている人が減りましたが、実際に解除になった場合は、どうなるのでしょうか?

 ロックダウン以来、主に医療機関などのために、大量に中国等から輸入されたマスクが空港に到着すると、警察や軍の警備の車に先導されて、大仰に運ばれています。マスクの盗難事件が相次いだためです、

 そして、現在は、ルイヴィトン、ディオール、サンローランなどのフランスの大手のブランドを始め、多くの繊維業者がマスクを製造しています。

 それでも、圧倒的に足りないマスク。
 まずは、どこよりも医療機関を優先とされるマスクの分配は、ロックダウンの解除が見込まれる地域でも、全国民に充分に行き渡るほどは、ないのです。どこの市町村も、「これだけの注文をしています。」というばかりで、実際にストックがどれほどあるのか、マスクが到着しても、まずは、医療機関を優先とすると、全ての人にマスクが行き渡るかどうか、明言できない状態です。

 現在のところは、薬局でも、一般人へのマスクの販売は、禁止されています。

 ロックダウン解除後の公共交通機関でのマスクの着用は義務付けられていますが、一般人の外出の際は、「マスク着用を推奨する」ことに留めているのは、マスクの確保ができていないからです。

 市町村によっては、洗って再利用することができるマスクを配布しているところもありますが、(私の住んでいる地域では、11日以降に発送するという通達が届いています。)いくら洗うことができるとはいえ、毎日、通勤するとなると、消耗品ゆえ、充分ではありません。

 ロックダウン解除を一週間後に控えた来週からは、一般人向けのマスクの販売が解禁になり、全国の薬局、タバ(Tabac)(タバコや雑誌などを売っているお店)、スーパーマーケット等でマスクの販売が解禁になります。

 大手スーパーマーケットは、カーフール 225百万枚、ルクレール 170百万枚、インターマルシェ 90百万枚と、それぞれに、すでに販売用に確保しているマスクの数を発表しています。マスクの価格の高騰を恐れて、政府は、サージカルマスクの価格の上限を95セント(約110円)に設定しています。

 しかし、ボジョレーヌーボーの解禁ならぬ、マスク売り出しの解禁とは・・。

 というわけで、来週は、マスクの争奪戦が予想されます。ロックダウン解除になったら、皆の気が緩んで、しばらくは、これまで以上に危険になるだろうと、食料品や薬の買い物は、解除の前の週にしようと思っていた私は、とんだ、見込み違いをしていたようです。

 これまで、マスクを毛嫌いしていたフランス人の間で、まさか、マスク争奪戦が始まるとは・・。

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