2020年5月13日水曜日

コロナウィルス・ロックダウン解除 フランスの学校再開とSNCF(フランス国鉄)のストライキ




 ロックダウン解除から一日後、フランスの学校の86%が再開されました。10歳以下の子供には、マスクは、義務付けられてはいませんが、やはり、親心でしょうか、マスクをつけている子供も少なくありません。厳しく、親にマスクの付け方、外し方を教えられているようで、それを得意げに話す子供の様子の背後には、心配しながら、子供を学校に行かせている親御さんたちの気持ちが垣間見えます。

 学校中が消毒され、街中のお店や駅のように、床には、子供たちが、人と人との距離を取りやすいように、テープが貼られています。教室の机も一つおき、もしくは、離れた席に座り、キャンティーン(給食)の時間も対面しないように斜めに席につくようにされていたり、時間ごとに手を洗うように指導されていたり、学校側の警戒も労力も相当なものです。

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 それでも、2ヶ月ぶりに学校に来れることを喜ぶ子供たちは、新しい環境に頑張って順応しようとしています。大らかな子供は、その変化をむしろ、楽しむようなところもありますが、ナイーブな子供は、すでに、その新しい異常な環境に馴染むことに難しさを訴えている子供もいます。

 休み時間に校庭で遊ぶ際にも、校庭には、一人一人が離れて遊ぶように四角い枠が書かれて子供同士が固まることができないように指導されていたりする学校もあるようです。


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 学校再開の初日は、概ね順調なスタートを切ったようですが、現在のところ、学校に登校している子供は、全体の22%のみで、少人数だからできる対応であるのかもしれません。これから人数が増えていった時の対応が案じられます。

 しかし、とりあえず、「ハイ!」と言うことを聞かないフランス人の大人と比べて、子供は、従順で、先生の言うことをよく聞いているので、小さい子供は、問題も少ないのかもしれません。www

 そんな中、公共交通機関であるSNCF(フランス国鉄)には、ストライキに向けた不穏な空気が流れています。SNCFのパリ東部地域にある組合は、5人の活動家を対象とする懲戒手続きに抗議し、組合抑圧を訴えるために、5月18日(月)に鉄道労働者にストライキを呼びかけています。このストライキには、パリの東駅、RER E, 首都東部郊外の列車が含まれます。

 ロックダウン解除から間もない特別な状況下でのストライキは、想像するにも恐ろしいような事態ですが、経営陣と労働者との間の軋轢は、深刻な状態です。

 というのも、あくまでも、私見ではありますが、ロックダウン解除の2日前までは、現時点でのロックダウン解除は、安全の保証ができないと公表していた公共交通機関が、ロックダウン解除に踏み切った途端に、急な方向転換をしたのには、経済活動を再開したい政府の相当な圧力があったと思っています。

 組合は、前例のない非常事態にも関わらず、リスクを追いながら働き続けている労働者に対して、経営陣は、話し合いの機会も持たずに、物申す労働者を一方的に懲戒処分を実施しようとしていると主張しています。まずは、交通機関の安全の確保に必死であるはずの経営陣は、安全確保以上にこの組合の反抗を沈めることに必死になっているとさえ言われています。

 公共交通機関の経営陣は、政府の圧力と組合の圧力に挟まれて、窮地の状況にあります。

 このコロナウィルスの蔓延し続ける状況の中、ストライキ大国のフランスがこの状況をどう切り抜けられるでしょうか?









 

 









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