私は時々、フランスのメディアで日本について報じられている記事をチェックしています。それは、フランス人が日本をどのように見ているか?捉えているか?それが、全くの見当違いのこともあれば、なるほど、こんな風に見えるのね・・などということもあり、ちょっとしたエゴサみたいな感じでもあります。
日本についての記事の中では、もはや定番のような感のある「少子高齢化問題」は、フランスでも、まるで無縁の話ではないため、フランスのより先を行く日本の実態とその行方は、定期的に報じられるテーマでもあるのでしょう。
しかし、今回のタイトルは、「日本は100年以内に絶滅するだろう」という、これまでよりもさらにパワーアップしたものでした。
その記事によると、「日本は、容赦なく人口が減少し、現在、日出ずる国では、出生数の2倍の数の死亡者を記録している・・日本は出生率の低下と死亡者の増加が結びついたスパイラルに陥っており、それが着実な人口減少を引き起こしている」と。
また、いくつかの研究では、この出生率の低下の原因のひとつは若い世代の間での恋愛やセックスへの関心の欠如の結果であるとも指摘しており、「草食男子」というワードなども併せて説明しています。政府は財政的奨励策を含む出生率向上を目指す新たな計画を立ち上げ、東京都は、この対策のために週4日勤務を定めようとしている・・とも。
出生曲線が2%ずつ低下し続け、同時に死亡率が1.5%で増加し続けた場合、「日本は97年以内に人口ゼロに到達する」のだそうで、これは、AIによる計算上のもので、2121年に世界で最後の日本人が亡くなり、千年続いた文明が終わりを告げるというのは、憶測に過ぎないことであるとしつつ、やはり問題は深刻であることに違いはありません。
一方、在日フランス人の証言として、「逆説的ではあるが、日本ではセックスが偏在している。婚姻関係にある男女、それぞれに恋人や愛人がいることが珍しくはなく、この件に関して、社会がとても寛容でラブホテルがどこにでもある」、「日本では、多くの結婚は、社会の目から見た静けさの保証を含んだ夫婦間の一種の相互扶助契約のようでもある」と語っている談を掲載しています。
そして、最後には、「しかし、最も大きな原因は国の不況であり、それが本当の問題であるとし、政府は不況にもかかわらず、このために230億ユーロを投じて、学費の引き下げ、出産時の経済的援助の増額、育児休暇の報酬、両親手当の増額などに取り組み始めた・・」と締めくくっています。
これがどこまで本当のことなのかは、わかりませんが、フランスも放っておいたら、日本みたいになってしまうよ・・という警告の意味もあるのかもしれません。
日本人として、これを読むとき、なかなか複雑な気持ちになります。
日本絶滅
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