2024年9月20日金曜日

2025年1月 イル・ド・フランス鉄道網 均一料金価格導入と価格変更



 イル・ド・フランス・モビリテス(IDFM)は、2025年1月にイル・ド・フランス鉄道網全体で2.50ユーロの単一チケットを設定する予定であると発表しました。

 「このチケットを使用すると、目的地や距離に関係なく、地下鉄、RER、トランシリアンなどのあらゆる鉄道交通手段を同じ料金でご利用いただけます」と、なんだかお得感満載な感じで発表されているものの、パリ市内だけを移動する人にとっては、これまでの2.15ユーロから2.50ユーロへの値上げを意味しています。

 現在の運賃は、パリの地下鉄で 2.15 ユーロから、イル ド フランスの最終目的地に応じて最大 5 ユーロまで異なっていますが、これが移動距離に関係なく2.50ユーロとなるので、イル・ド・フランス内で比較的、長距離を移動する場合は、かなりお得で簡単になります。つまり、2.50 ユーロの最初のチケットは、パリの地下鉄、RER の線の端から端まで、およびすべてのゾーンの郊外電車の全移動に有効になるわけです。

 これにより、イル・ド・フランス・モビリテスは、駅の券売機の行列が大幅に解消されると見ています。

 また、これとは別にバスやトラムの利用に関しては、2ユーロ(移動距離に関係なく均一料金というシステムは同じ)チケットが導入されます。バスの場合、運転手から直接チケットを購入する場合の価格は、2.50ユーロのままの据え置き(できるだけ、この方法でチケットを購入することを避けてもらうためと言っている)になります。

 つまり、これまで、パリ市内ならば、メトロもバスも均一のチケットが利用できていたものが、メトロ用とバス用は、別々に購入しなければならないという意味ではないか?とも思います。このためなのか?これまで販売されていた10枚綴りのチケット(メトロ・バス用)は、廃止されるようです。

 どちらにしても、観光客などにとっては、どうやってチケットを買ったらいいのか?メトロとバスの価格の違いなど、なかなかわかりにくいのではないか?とも思います。今はネットもあるので、事前に調べてくることができるので、ネット情報ありきのことなのかもしりませんが、初めて来る人にとったら、けっこう面倒なことかもしれません。

 しかし、これを全体的に考えれば、パリ市内を移動する乗客が圧倒的に多いわけで、なんだかんだ理由をつけて、結局は値上げの増収ということではないか?と思わないでもありません。

 住民からしたら、だいたい Navigoを持ってしまっているので、細かなチケットの値段などをあまり考えもせず、毎年、必ずNavigoの値段が値上げされるときだけ、「え~~~??」と思うだけで、あとは、もうあまり考えないのが正直なところですが、郊外から時折、パリに来る人、また逆にパリから時折、郊外に行く人にとってはお得になります。

 しかし、イル・ド・フランス・モビリテスは、これらの新料金により交通機関の利用が約1~2%増加すると考えており、不正行為との戦いを強化していくと説明しています。

 この「不正行為との戦い」については、もう少し見直しもしてほしいところで、知らなかったでは済まされずに、容赦なく観光客に対してなども高額の罰金請求を行っているのも、はたから見ていても、少々納得いかない気分。もう少し、観光客にもわかりやすいように、しっかり説明して理解を広める努力もしてもらいたいものです。


イルドフランス鉄道網 均一料金システム


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