2024年9月26日木曜日

ブローニュの森に埋められた大学生殺害事件 容疑者は OQTF(フランス領土退去命令)を受けていたモロッコ人

  


 今回の事件の被害者となったのは、パリ・ドーフィーヌ大学で「金融経済工学」を専攻していた大学3年生の女の子です。彼女は殺害されたと見られている当日、大学で昼食をとった後、午後2時ごろから行方がわからなくなっており、その日の夜に、家族は捜索願いを提出していました。

 彼女は大学の近くに住んでおり、遺体は大学から数百メートルのブローニュの森で彼女の携帯の位置情報から発見されました。遺体が発見されてから3日後、容疑者はスイスで逮捕されました。

 この容疑者は、22歳のモロッコ人で、2019年にモロッコのパスポートで観光ビザでスペイン経由で、一応、合法的にフランスに入国。当時、彼は17歳でしたが、その後、彼はフランス領に留まる選択をしました。ところが、その2ヶ月後、彼はパリ近郊タヴェルニーの森(ヴァル・ドワーズ県)で23歳の女性を強姦し、有罪判決を受け、懲役7年を求刑され、OQTF(フランス領土退去命令)が出ていました。OQTF・強制退去命令が出たときも、彼はこれに対するいかなる反対も訴えも起こしていませんでした。

 逮捕後、ただちに公判前の拘留で服役が開始されたことを計算に入れたとしても、実際に彼が服役していたのは約5年間でした。彼が受けた7年間の懲役刑は、自動減刑?の恩恵を受け、服役5年で2024年6月に、彼の身柄は行政拘置所(CRA)の管轄に移され、その後、どのような経緯を辿ったのか彼は性犯罪者ファイルFIJAISへの登録の対象となり、今年の9月3日には、ヨンヌのホテルに軟禁と報告義務という一般的な拘置所からの処遇よりも軽いものになっていました。

 その後、彼のモロッコへの送還をめぐって、モロッコ側が一度、フランスが申請を出した書類に対して、この要請は在フランス外国人総局(DGEF)が行うべきであると却下、フランス側は、再び、DGEFから申請を行い、9月6日、モロッコは彼の国外追放を許可しましたが、その時には、この男は、すでに外に軟禁場所から逃亡していました。

 そして、今回の事件が起こったのが、9月20日と見られており、ひと月も経たないうちに、彼は再び、深刻な事件を起こしたことになります。

 だいたいOQTF(フランス領土退去命令)を受けているような危険人物の管理があまりにも杜撰であることは、度々、報じられていることで、なにか事件を起こした犯人が逮捕されると、その人物はOQTFを受けていた人物であったということは、少なくないのが現状です。

 また、この男、本気で逃げようとしていたならば、ちょっと知恵が足りないというか?この女性を殺害した後、被害者のカードで現金を引き出していたり、翌日に遺体を埋めにブローニュの森に戻っていたり、行方を追跡されないように携帯を切っていたにもかかわらず、スイスに着いた途端に携帯のスイッチを入れてしまい、結局は、それで所在地が特定されて、逮捕されたりと間が抜けたことばかりしています。

 しかし、刑期が7年から5年になっていたとしても、OQTF(フランス領土退去命令)対象者であるならば、国外退去するまでの身柄は、しっかり拘束しておいてほしいものです。

 この容疑者と被害者の関係は明らかになっていませんが、ふつうに考えれば、あまり接点がありそうもないのですが、どちらにしても、同じ女の子を持つ親としては、こんな札付きのワルが野に放たれているということは、怒りと恐怖を感じるところです。


OQTF(フランス領土退去命令)


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