今週、はじめに、国民議会事務局は、ラ・フランス・アンスミーズ(屈しないフランス)(左派政党)が提出したマクロン大統領解任決議案を受理しました。
「フランス第5共和政の歴史において前例のない出来事」といわれる大統領解任決議案ですが、実際、長く複雑なステップが必用になりますが、これが成功する可能性はほとんどないと言われています。
法務委員会のメンバーによって、この提案の議題について検討、採択されるかどうかが決定されます。
仮に法務委員会を通過したとしても、決議案は「委員会の結論から遅くとも13日目までに議会の議題に組み込まれなければならず、採決は、遅くとも15日目までに行われなければならない」とされています。
そこでは、国会議員はエマニュエル・マクロンの解任を決定するよう国民議会に招待されるのではなく、共和国大統領の解任を決定できる唯一の管轄権である高等法院での議会に召集されることになりますが、国会議員の3分の2の票を集めなければならないため、ほぼ不可能であると、あまり大々的には報じられていないほど、軽視されています。
しかし、反政府勢力の間では、この一連の行為は非常に成功したと考えられています。
これは、今回は失敗したとしても、国民議会事務局がこの議案を受領したことで、火種は灯され、このまま不安定な政権が続いたり、さらに大きな問題が勃発した場合は、この議案のステップが繰り返されることになり、一気に上院まで進む可能性もあり得るという意味でもあり、穏当に運べば、マクロン大統領の任期は2027年までですが、それまでは、マクロン政権は持たないのではないか?という見方をする人も出てきていることも事実です。
実際に、欧州議会選挙以来の国民議会解散、総選挙以来、内閣が解散したまま首相も1ヶ月ほど決まらず、内閣に至っては、まだ発表されていません。
このグダグダの間にその内閣組閣にあたって、交渉がスムーズに進んでいないのは明らかなうえに、首相が交渉にあたっている大臣候補の中から、首相が増税政策を告げられたと暴露され、この大臣候補は、「増税する政府に参加したり支持するのは問題外である」と断言。
世間の目は、一気に増税か否かに注目が集まり、バルニエ首相が増税を望んでいるという噂が、特に大統領陣営で高まり、緊張が高まり、首相の側近が、これに対して、「増税に関する噂は単なる憶測であり、首相は予算状況を分析中であり、今日はいかなる選択肢も決定されていない」と釈明しています。
現在は、首相が任命されたので、首相が矢面になっているし、実際に彼自身のはっきりとした方針が示されていないままに、このような暴露話までが露見してしまうという、ここ数年には、見たことがなかった惨状が繰り広げられています。
欧州議会の思わぬ結果により、突如、誰もが驚愕した国民議会を解散して再選挙に臨んだマクロン大統領ですが、欧州議会は欧州議会として、国民議会はそのままにしておけば、こんなグダグダな状況には、ならなかったであろうに・・。
こんなことを今から言っても仕方ありませんが、これまで、数々の国民の反発を乗り越えてきたマクロン大統領、これから先は、とりあえずは、まず政府陣営を上手く組めなければ、本当に足場が揺らぐことになるかもしれません。
マクロン大統領解任決議案提出
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