ノエル間近のスーパーマーケットに行って、世間の人々のノエルの食料調達事情を見てきました。今年のフランス人のノエルの平均予算は568ユーロなどと言われ、プレゼントは節約するけど、食事をケチることはしないという調査どおり、皆、想像以上の買いっぷりで、あの調査は本当なんだなと思いました。
しかし、最近、なんとなくしょぼい感じだったスーパーマーケットが久ぶりに活気づいている感じで、「やっぱり、こうじゃなくっちゃ!」と嬉しい気持ちでした。
毎年のことですが、ノエル前のスーパーマーケットというのは、いつにない華やかさがあって、ノエルならではの食材が並ぶのも楽しいタイミングでもあります。
ノエルのディナーを華やかに飾るのは、いくつかの定番アイテムがあります。
この時期のスーパーマーケットの商品のラインナップを見ると、フランス人がどんなふうにノエルのディナーを演出していくのかがわかる気がします。
まずは、華やかさを演出するお花はどんな行事でも同じですが、お店を入るとまず、お花のブーケなどが並び、その次に山積みのチョコレートが目に入ります。どんな時でもこのお花とチョコレートは、必ず目にするものです。
そして、シャンパンですが、これは、思ったほどの量ではありませんでした。
次にノエルといえば、登場するのがフォアグラ、キャビア、スモークサーモンの類ですが、キャビアは一段と値段が高いこともあり、仰々しくケースに入っていて、それほど必須アイテムというほど、みんなが買っている印象はありませんが、一応、必ず登場しています。
キャビアちっちゃな一瓶 約1,800円∻5,500円程度 |
フォアグラは、少し前から姿を現し始めていましたが、今年は、値段がかなり上がっている印象で、こんなに高かったっけ??と、ちょっとびっくりしていたのですが、直前になって行ってみると、けっこうな値段にもかかわらず、少しは割引になっていることもあるのか、かなり売れている様子で、スカスカになっている棚もあって、やはり、フォアグラだけは削れない・・と考える人が多いのかもしれないし、ノエルの食費は削らないと言われていたのを目の当たりにした気がしました。
どれも、値引きはしているものの、なかなかなお値段ですが、中には、「ウソ!安!」というものをみつけて、よく見ると、50%フォアグラで鶏のレバー、豚の油や卵が混ざっているという、フォアグラもどきで、これは、ほとんど売れていない感じでした。ノエルのディナーは適当にごまかさないようです。
そして、フランス人といえば、チーズですが、これまたびっくり!チーズの棚はガラガラ・・ほぼ空っぽと言ってもいいくらい・・
その場で切ってもらうチーズ売り場は長蛇の列
そして、これもノエルの時期になると必ず登場するシャポン(去勢鶏)は、今やかなりクラッシックな存在にもなりつつある感じもしますが、丸鶏や七面鳥とともに、けっこう雑な感じで並んでいます。
地鶏と七面鳥 約5,000円程度 |
そして、それ以外のジビエに混ざって、最近、仲間入りしているのは、和牛ですが、それに加えて、鴨肉も必ず
シャポン約4,000円 |
鴨肉 約1,400円 |
それから、ノエルといえば、日常は圧倒的に肉食な彼らが、手を出すクルスタセと呼ばれるエビ・カニなどの甲殻類、貝、生牡蠣です。これまた、日ごろからスーパーマーケットではろくなものがない魚コーナーには、オマールや伊勢海老、ラングスティーヌなどが堂々と並び、飛ぶように売れていきます。
魚介類は、肉類に比べると、やはりノエルの時期にも若干、割高な感じもします。
活きオマール海老 1尾50€(約7,000円) |
牡蠣は最近の若者にはあまり好まれないという話も聞くせいか、年々、牡蠣のコーナーは縮小している気もしますが、普通、殻付きで産地、サイズ、種類などにわかれて、箱詰めされたものを買ってきて、家で殻を開けます。
今年は気候変動の影響で牡蠣の生産にも影響があったと言われていますが、今年は、こちらは、そんなに飛ぶように売れているという印象はありませんでした。
そして、ノエルといえば、クリスマスケーキ、フランスではブッシュと呼ばれる丸太型のロールケーキをデコレーションしたようなものが主流です。
あまりお料理をしない人でもお菓子は自分で焼くという人も多いので、自分で作る人もいるのでしょうが、スーパーマーケットならば、そんなに高価なものではありません。
ブッシュは約1,500円~2,000円程度 |
今回は、写真はできるだけ、価格がわかるように、値段も入れて撮るようにしたので、インフレで少し値上がりしているフランスの一般庶民?の食卓の値段がわかっていただけるのではないかと思います。
普通、家族で集まると、クリスマスイブ、クリスマス当日と、24日の夜から、食べ始め、夜まで宴は続き、また、翌日のお昼から夜までと延々と食べ続け、仕事に出ても、ノエルの名残でなんとなく、つまんだり飲んだりということが続き、そして、また大晦日、元旦とフランス人の宴は続きます。
これよりももっと食材にこだわる人は、それぞれ専門店などに出向いて、高級品を集めるのでしょうが、一般的なフランス人の食卓は、おそらく、スーパーマーケットで仕入れるノエルの食材がスタンダードなのだろうと思います。
それでも、買い物に来ている人は、勢いよく買い物し、「あれ?インフレどこ行っちゃった?」と思ってしまうほど、買いっぷりがいいし、買い物に来ている人々もどこかウキウキしている感じが伝わってきて、やっぱり、こんなご時世だからこそ、こういう行事って大切なのかもしれないな・・と思った次第です。
フランス人のノエルの食卓
<関連記事>
「ノエルの予算 フランスの平均568ユーロは安いか高いか?」
「美食の街リヨン 市議会が公式レセプションでのフォアグラ使用禁止」
「牡蠣の生産者が被る夏から秋にかけての猛暑被害 地中海温暖化」
0 コメント:
コメントを投稿