2022年12月15日木曜日

2022年サッカーワールドカップ フランス決勝進出

  


 フランスにとってのサッカーは国民的なスポーツで、今回のようなワールドカップがあったりすると、国民の熱狂ぶりで、サッカーがどれほどの位置を占めているのかを痛感させられることになります。

 今回のワールドカップで、フランスは順調に勝ち進み、昨日のフランス対モロッコの試合は準決勝というのに、決勝並みの大騒ぎで、パリだけでも2,000人、全国で5,000人の警察官が動員され、シャンゼリゼには2万人以上が集まる大フィーバーとなりました。

 今回の準決勝進出を先に決めたのはモロッコでしたが、アフリカ大陸から初の準決勝進出ということや、フランスには、モロッコの人、アラブ系の人々も多いために、その時点でもすでにモロッコ勢はシャンゼリゼに集結し、大いに盛り上がっていました。

 フランスが準決勝進出を決めたときは言うまでもありません。

 モロッコ対フランスの準決勝当日もモロッコを応援する人、フランスを応援する人に紛れて、モロッコのユニフォームを着て、フランス国旗を振っているようなどちらも応援しているような人も少なくありません。

 今回の準決勝には、まさかのマクロン大統領までがカタールに応援に出向くという熱の入り方、しかし、一応、メディアは彼にも注目はしますが、大統領でさえも存在感が小さく感じられるほど、フランスのサッカーチームは、いまをときめくスーパースターなのです。


 サッカーの応援の様子などを見ていると、彼らの興奮の仕方というのは、激しいもので、変な言い方をすれば、血が騒いでいる・・その血が日本人とは違う・・と感じてしまいます。

 先週あたりから氷点下の世界になっているこの寒い気候も、インフレやエネルギー不足に喘いでいるこのご時世も、全てどこかにすっ飛んでしまったようで、試合終了後には、おそらくパリのどこにいても、花火がどこかであがっている様子が聞こえてきて、寒さも忘れて、大して着込むこともなく、心底楽しそうにフランスの勝利を喜んでいる人々を見ると、今の時代にこんなに人を幸せな気持ちにしてくれるものは、なかなかないだろうと思うのです。

 あるチャンネルのジャーナリストたちは、シャンゼリゼが見渡せる場所から(屋外)中継していて、一応の防寒はしているものの、この寒さのわりには軽装で、興奮して寒さもなんのそのになっているところ、1人のおじさんジャーナリストが手袋をしているのを突っ込んで、「この人、こんな時に手袋がいるんですよ・・この人は・・」などと笑いのネタにしているほど、もう氷点下の寒さも吹っ飛ばされているようです。

 今年のシャンゼリゼのイルミネーションはシャンパンカラーのレモンイエローですが、そのシャンゼリゼのイルミネーションの並木の間を大勢の人が埋め尽くし、不謹慎な話ではありますが、その脇を取り囲む警察車両の屋根につけられたブルーの回転灯が映えてとてもきれいでした。

 今年は節電のため、イルミネーションは日付が変わる前に消灯されましたが、人は減らずにいつまでもブルーの回転灯だけがシャンゼリゼを灯し続ける光景も、それはそれでまた幻想的できれいなのでした。

 フランスは過去24年間でワールドカップの決勝進出は4回目、最初に優勝したのは1998年のことで、今回のフランスチームのスーパースター・エムバッペ選手はこの年に生まれており、なにか、運命的なものさえ感じてしまいます。

 24年間で4回決勝に進出し、2回優勝しているということは、あらためてフランスのサッカー人気の理由がわかるような気がします。強いから好きになる、さらに応援したくなる、すると、さらに強い選手が集まり、また強くなる・・ますます人気が上昇する・・とプラスの好循環になっているのです。

 フランスの小さい子供のお稽古事?(男の子)のトップは圧倒的にサッカーで、フランスでの圧倒的な人気スポーツの座は揺るぐことがありません。

 日本では人気の野球は、存在すら確認するのが難しいほどで、やっているという人の話は聞いたことがありません。

 もしかしたら、サッカーのワールドカップはオリンピック以上の盛り上がりではないかと思われるくらい、サッカーを応援する人は、年齢層も広く、底辺の人から、エリートまでの広範囲にわたり、その経済効果も大変なものだと思われます。

 このところ、不景気で不安なことばかりに覆われていたフランスが一機にサッカーで運気が上昇しているような、そんな気にさせられる感じです。

 喜びに沸きあがるエネルギッシュな群衆を見ていると、このエネルギーが生活への不満などで、デモとかテロとかに転じずに、国全体でこんなに熱狂的に喜ぶことのできるものがあることが、なんだかうらやましい気もしているのです。

 決勝戦は日曜日、さらに大変な騒ぎになりそうで、このワールドカップ騒ぎから、すぐにノエル、年末年始のお祭り騒ぎが続きそうな感じです。


2022年サッカーワールドカップ フランス決勝進出


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