2021年8月12日木曜日

リオネル・メッシ パリサンジェルマンへ移籍のパリフィーバー

   


 バルセロナを退団したリオネル・メッシがパリサンジェルマン(PSG)と2年間の契約を結び、パリにやってきたニュースは、サッカーについては、あんまり知らない私でさえ、避けることができないほどの大ニュースでした。

 メッシがパリにやってきた日は、大統領でさえ、その1日をそれほど追跡されないほどに、分刻みで彼のこなしていくスケジュールが報道され、彼の行く先々には、大勢のファンが集まり、熱烈な歓迎を受け、彼の乗る車は警護のための厳重な警備のもとに誘導される大フィーバーでした。

 一昨日、彼の乗るプライベートジェットがフランスに到着したのが午後3時50分、それからまもなく空港の窓からファンに向けて手を振る彼は、「Ici c'est Paris(ここはパリ)」と書かれた白いTシャツを着ていました。

 集まっていたファンは、サッカーの試合を見ているわけでもないのに、彼の姿を目にしただけで、「メッシ!メッシ!メッシ!」と大歓声を送ります。

 その後、彼の乗る黒いバンは警備の車に先導されて、パリに隣接したヌイイ・スー・セーヌにあるアメリカンホスピタル(パリのセレブ御用達の病院)に向かい、健康診断を受けます。

 検診が終わり病院を去ったのは午後7時すぎ、彼が、家族とともにパリ8区にあるホテル・ロイヤルモンソーに到着したのは、午後8時20分、それからまもなくして午後9時15分、彼がホテルのバルコニーから、ファンに向けて手を振り挨拶をしました。

 誰かがパリに来ることで、これだけの熱烈な歓迎を受けることは、そうそうあるものではありません。国賓級のどこかの国の皇族や大統領とて、これだけの歓迎を受けることはありません。

 彼が涙ながらにバルセロナを退団し、もしかしたら、パリサンジェルマンに移籍するかもしれないという話が出始めてから、そんなに時間は経っていなかったので、彼の涙ながらの「バルセロナに残るために全てのことをやった」という感動的な記者会見から一転して、この世界最高峰の選手がパリサンジェルマンにやってくる!という衝撃的なニュースが彼の来仏をさらにドラマチックにしたかもしれません。

 いずれにせよ、彼のフランスでの人気は大変なもので、「彼の存在は、もはや、神格化している!」と評されるほどで、翌日のパリサンジェルマンとの2年間の契約締結の記者会見では、会見上に臨んだ記者たちからも「メッシ!メッシ!」とメッシコールが上がる興奮状態になりました。

 彼の契約発表当日には、シャンゼリゼにあるPSGの公式ショップには、バルセロナでデビューした時と同じ番号が使われる彼のパリサンジェルマンでの背番号「30」のついたユニフォームを買おうとする人で長蛇の列ができ、その行列はショップからメトロの駅まで続くほどの大変なものになりました。

 彼は、記者会見でフランス人の熱烈な歓迎に感謝し、新しい冒険にトレーニングを待ちきれない気持ちであり、同じチームにすでに友人もいる新しいチームで、ヨーロッパリーグの優勝を目標に掲げ、全てのタイトルを勝ち取るために全力を尽くすことを宣言しました。 

 フランスメディアによれば、彼の年俸は4,000万ユーロほどと推定されており、加えて、多くのスポンサーからのお金が入ります。

 ここまで神格化されている彼にまつわる経済効果は、サッカーだけにとどまらず、多方面に影響していくことと思われます。

 パリサンジェルマンもメッシ獲得資金よりも彼がもたらすビジネス上のプラスの方がはるかに大きいと説明しています。

 彼のインスタグラムのフォロワーは2億4,700万人、彼の発信力には並々ならぬものがあります。

 サッカーについては、疎い私ではありますが、これだけ「神扱い」されている彼には、一言でいいから、インスタグラムで、「みんな、ワクチン接種を受けよう!」と呟いてくれたら、マクロン大統領を始め、フランス政府がどんなに国民に訴えるよりも効果があるのではないだろうか・・などと思っているのです。


メッシ パリサンジェルマン移籍


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