2021年8月25日水曜日

フランス9月1日から3回目のワクチン接種開始

   


 フランスは、予定していた9月15日からの3回目のワクチン接種を9月1日から受け付けることを発表しました。

 3回目の追加ワクチン接種の該当者は、65歳以上の高齢者と重症化及び死亡のリスクを高める併存疾患のある全ての人としています。

 Haute Autorité de Santé(HAS)(高等保健機構)は、3回目のワクチン接種について、「現在、フランスで蔓延しているデルタ変異種に関連する症候性形態に対する保護機能が時間の経過とともに低下し、不充分になると考えられるため」と説明しています。

 HASは、この説明に、すべてのワクチン、特にデルタ変異種に対する有効性の経時的な低下を示唆するいくつかの研究を提示しています。

 ビオンテック・ファイザーワクチン接種が2回済んでいるにも関わらず、8月13日の段階で特定された622例の重症化例の3分の2は、1つ以上の併存疾患に苦しむ人々で、そのうちの107名の死亡者のうち、72%が85歳以上であったことがわかっています。

 これらの研究結果により、3回目のワクチン接種を限定して優先接種していく方針を固めたのです。 

 この3回目の接種条件は、年齢や併存疾患に加えて、アストラゼネカ、ファイザー、またはモデルナの2回のワクチン接種後6か月が経過していることが付け加えられています。このため、現在の段階では、少なくとも3月の段階で2回のワクチン接種を済ませている人に限られているため、急激に3回目のワクチン接種が進むことは考えにくく、時間の経過とともに、徐々に行われていくものと思われます。

 まず最初にワクチン接種を開始した高齢者施設や介護施設において、この3回目のワクチン接種キャンペーンが開始されます。

 しかし、それは義務ではなく(もともと2回のワクチン接種も義務ではないが・・)、ヘルスパスの効力に影響はありません。

 そもそも2回のワクチン接種でさえも、渋々、受け入れざるを得ない気持ちだった人にとって、これでひと安心と思っていたところに、2回のワクチン接種では効果は十分ではなく、もう1回必要だというのですから、一体、どれだけワクチン接種を受け続けなければないのか?と追加の3回目のワクチンに対しては現段階では懐疑的な人も少なくありません。

 また、今回の該当者に関しては、これから秋から冬にかけての季節には、例年はインフルエンザワクチン接種を推奨されている人々でもあり、2種類のワクチンを同時に接種する危険を危惧する人も多いのですが、この2種類のワクチン接種は、たとえ時期が重なっても危険はないとしています。

 逆に、コロナウィルスワクチンに関しては、6ヶ月を経過すると有効性が低下し始めることを強調し、特に高齢者や併存疾患を抱える人々に対しては、3回目のワクチン接種を推奨しています。

 現在、フランスのワクチン接種率は、72.3%、国全体の感染を抑えていくには、まず、この2回のワクチン接種率を上げていくことも同時に進めていかなければなりませんが、現在のフランスのワクチンのストックは、その両方をこなしていくに十分な量を備えています。

 しかし、世界的には、まだ1回のワクチン接種もできていない人々も多く、WHO(世界保健機構)は、後進国にワクチンを譲るように呼びかけていますが、ヨーロッパでは、フランスの他、イギリス、ドイツ、ベルギー、スウェーデン、ハンガリーなどの国々が同時に3回目のワクチン接種を開始することを発表しています。

 私自身、心臓疾患があるため、恐らく、この併存疾患を持つ人というカテゴリーに入ると思うのですが、私が2回目のワクチン接種が終了したのは、6月5日、少なくとも12月までは、次のワクチン接種を受けることはできないので、少し様子を見て、かかりつけのお医者さんと相談して、考えようと思っています。

 しかし、これから定期的にワクチン接種を続けなければならないとしたら、なかなか気が思いことです。フランスは、ヘルスパスが適用されることになって以来、急激にワクチン接種が進み、ある程度、ワクチン接種が進んでいけば、ヘルスパスなども必要ない世界がやってくるのではないか?などと思っていた矢先にこの3回目のワクチン接種の話です。

 まだまだパンデミックは終わらないようです。


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