2021年8月10日火曜日

ヘルスパス本格始動も、実は、昨年の今頃よりも事態は深刻なフランス

  


 今週からフランスは、レストラン・カフェ・病院・医療施設・長距離交通機関・一部のコマーシャルセンターで、ヘルスパスの提示が必要になりました。

 レストランやカフェの入り口では、ヘルスパスのQRコードがチェックされ、QRコードを読み込むと、ワクチン接種の証明書や生年月日などが表示されます。さほど複雑な手間ではありませんが、混雑時などには、店舗にとっては、煩雑な作業が加わることになります。

 本来は、ヘルスパスは、ワクチン接種拡大のために取られている施策ではありますが、現在のところは、PCR検査の陰性証明書でも代用できるため、薬局などの検査場の混雑を緩和するために、当初は、48時間以内の検査結果の陰性証明書が必要であったものが、72時間以内のものと緩和されています。

 その上、自分でできる簡易検査でも良いなどと、どんどんその枠が緩まっているので、その場でテストして見せるのか? なんだか、大丈夫かな?と心配になります。

 それでも、レストランなどで、紙に印刷したQRコードを持った高齢者にQRコードを携帯に読み込むのを手伝ってあげている若いウェイターのお兄さんなどもいたりして、なんだか微笑ましい場面も見られます。

 TGVの発着する大きな駅などもヘルスパスのチェックが始まり、駅ではヘルスパスのチェック済みの乗客に対しては、ブルーのブレスレットを着用してもらい、途中乗車・下車する際の再チェックの簡易化を図っています。

 それでも、実際にヘルスパスのチェックはしても、それを身分証明書と照合することまではできないため、本人確認のための抜き打ち検査に警察官が巡回し、警戒に当たっています。

 違反している者には、135ユーロの罰金が課せられるので、最初はこのシステムが定着するまでには、手惑うこともあるでしょうが、最終的には10月からはPCR検査も有料化されるので、いつまでもPCR検査で凌いでいくことも無理になり、本来のワクチン証明書のQRコード提示が大部分になれば、チェック機能も現在よりはシンプルになっていくことになると思います。

 しかし、このヘルスパスがきっちりと浸透していけば、まあまあ安心だ・・と思っていた私は、恐ろしい事実を発見してしまいました。

 現在、フランスのワクチン接種率は66.66%(2回接種済みは55.58%)まで達しているというのに、新規感染者数、重症患者数、死者数は、昨年の今頃より、ずっと多く、昨年の今頃(8月初旬)の重症患者数は、380人前後だった数字が現在は、1600人超え、死者数も昨年今頃は10人以下まで下がっていた状態だったのに現在は、50人前後が毎日亡くなっています。

 ワクチンをすれば、重症化する確率が低いとはいうものの、ワクチン接種をしていない人が感染し、重症化する確率は、極めて高くなっているということで、現在蔓延しているウィルス(デルタ変異種)が昨年のウィルスよりも数倍威力を増していることを感じずにはいられません。

 そんなことを考えていたら、感染が悪化していると言われていたマルティニークは、3週間の完全ロックダウン!!7月末の段階で夜間外出禁止などの措置が取られていましたが、日中も基本的に外出禁止。生活必需品以外の商店は営業停止。ホテルも閉鎖。半径1km以上の外出には許可証が必要になり、「観光客は帰ってください!」というのですから、大変なことです。

 この地域にバカンスに出ていた人々は、バカンス中断です。

 しかし、感染率の数値は10万人あたりの数値が1,166人と島民の100人に1人以上が感染しているという恐るべき状態で、ロックダウンともなれば、バカンスどころではないのです。

 フランス全体のワクチン接種率が66%なのに比べて、この地域は21%しか達していないため、感染拡大の速度は、もの凄い勢いで進んでいるのです。

 一部の地域とはいえ、バカンス期間中の劇的なロックダウン。

 まだまだ、ヘルスパスで安心している場合ではなさそうです。

 


ヘルスパス フランス マルティニークロックダウン


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