秋みたいだけど夏なチュイルリー公園 |
フランスでは、なんだか季節がわからなくなるような気候が続いています。
一瞬、気温が下がった時があり、周囲のフランス人たちが、そのたった1日の違いであっという間に冬支度になり、コートやマフラー、中にはダウンジャケットを着ている人までいて、相変わらず、寸分違わないフランス人の衣替えのタイミングの見事さに、今年も舌を巻いたばかりでした。
しかし、その寒さは長い間は続かず、10月も終わりが近いというのに、今日のパリの気温は23℃まで上昇し、週末には25℃を超える見込みで、フランス南部では30℃を超えるという夏が戻ってきたかのごとき異常な気象に見舞われています。
うっかりコートを着てでかけようものなら、汗だくで、昨日などは、半袖姿の人もちらほらいるような(ほんと、私もTシャツでよかったと思いました)、よく言えばポカポカ陽気です。
フランス気象庁は、10月末にフランスを襲っている遅めの猛暑を「異例」「例外的」と表現しています。全国的に気温は季節の標準を大きく上回っており、これは、気候変動が制御不能になりつつあることを示す明らかな兆候であると述べています。
この10月の異常な暑さは、過ごしやすく暖かい秋・・とは、素直に喜べない異常な感じがあります。
私がアフリカにいた時は、ほぼ一年を通して暑くて、最初は夏服だけだから楽だな・・などと思ったものの、実際には、暑すぎて、朝起きて、曇っていると心底ホッとしたもので、また、夏服だけの生活というのも長くなってくると、それはそれで味気ないもので、四季折々の季節の変化とともに楽しめる季節感を恋しく思い、「四季があるって素晴らしいことだ!」などとしみじみ思ったものでした。
孫たちを連れたおばあさんたちも10月末とは思えない軽装 |
今のパリの街は紅葉が始まり、石畳に黄色やベージュの落ち葉が散る秋の風景ではあるのですが、現在はトゥーサン(諸聖人の祝日・ハロウィン)のバカンス中で、学校が休みのため、孫を連れたおばあさん(時にはおじいさん)の姿がけっこう目立っていて、このポカポカ陽気を楽しんでいる様子なのは微笑ましいところですが、一方、この異常気象で再び、干ばつの被害の対応も求められ、農作物への影響も生じてきます。
本当にパンデミックに始まり、戦争、インフレ、エネルギー危機、そして地球温暖化による異常気象と世の中の混乱はおさまりそうにありません。
10月はまだ終わっていませんが、フランスでの気象記録史上、最も暑い10月となることは、もはや間違いないと言われており、また、これは、年間を通して、平均気温においても、2022年は、フランスで記録的に暑い年になる可能性があります。
科学者はこの地球温暖化により、「今後、フランスに起こる熱波は、より激しく、より頻繁に、より長い期間にわたるようになる」と述べており、いつかは、アフリカのようになってしまうのでは?と不安な気がしています。
フランス人が秋の訪れとともに、あっという間に冬の洋装に変わるのも、季節を先取りするおしゃれをしたいという気持ちもあります。それぞれの季節によって、おしゃれの楽しみ方はありますが、やはりおしゃれを本格的に楽しめるのは、秋冬という感じがします。しかし、この気候変動とともにそんな楽しみも薄れていってしまうかもしれません。
10月の異常気象 猛暑 地球温暖化
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