2022年10月8日土曜日

エネルギー危機が疑問を投げかけるクリスマスのイルミネーションの是非

  


 今年も10月に入り、フランス人にとっての一大イベントのノエルの季節がもうすぐそこに見えてくる時期に入りました。なんでも時間がかかって物事がすんなりと進まないことが多いフランスでも、毎年、ノエルの準備だけは早く、だいたいトゥーサン(ハロウィン)が終わったかと思うと、街中はさっそく、ノエルのイルミネーションの準備が始まります。

 ところが、今年のクリスマスのイルミネーションは、エネルギー危機、電気代の異常な高騰により、各自治体は、この年末年始のノエルのイルミネーションの是非を問われ、この一大イベントのノエルのイルミネーションを削減する方向で検討を始めているようです。

 パンデミックの間も(今も終わったわけではないけど・・)、2020年などは特に、自粛ムードでこのイルミネーションを削減したり、廃止したりした場所もありましたが、昨年末には、ほぼ通常どおりのイルミネーションに戻り、私もシャンゼリゼのイルミネーションを見に行き、「去年はイルミネーションはあったものの、ほとんどのお店が閉店で寂しかったな・・元に戻って嬉しいな・・」と思いながら、シャンゼリゼのイルミネーションを見てきました。

 シャンゼリゼについては、現在のところは、まだ発表されていませんが、地方の各自治体は、すでに大幅に値上げされた電気代を考慮し、イルミネーションを大幅に削減する発表をしています。

 イルミネーション自体を減らすだけでなく、LEDを使用したり、時間帯を短くしたり、イルミネーションの点灯期間を4週間半から3週間に短縮する自治体もあります。

 例えば、ボルドーでは、「昨年と同じイルミネーションを維持しつつ、昨年は、11月26日から始まったイルミネーションは、12月9日からになり、点灯期間を短縮する(2週間短縮)」予定を発表しています。また、時間帯についても午前1時から7時までは装飾を消す予定です。

 国をあげて、マクロン大統領自らタートルネックを着て、省エネ・節電を呼びかけているこのご時世、暖房も控えよ!と暖も満足に取れない中、クリスマスのイルミネーションが例年どおりのままに据え置かれるわけはありません。

 すでにエッフェル塔のライトアップの時間は短縮されていますが、シャンゼリゼのイルミネーションもさしずめ、期間が短縮されるぐらいのことは、されてしかるべきだと思います。

 別に、クリスマスなのですから、せいぜい、12月に入ってからで十分ではないか?と思うのですが、例年の恒例の予定を変更するには、必ず揉めるのは、どこの国でも同じです。

 パリ近郊でも、ちょっと郊外の方に行ったりすると、クリスマス前になると、家全体を電球で飾り立てたりしている家を目にすることもありますが、これだけ電気代が高騰すると、このような家もずいぶん減るのではないかと思います。

 クリスマスのイルミネーションは、華やかで、心が踊るものではありますが、「暖房を控え、節電を心がけて、10%の電力消費を削減すれば、停電は避けられる」などと言われる中、正直なところ、停電のリスクを侵してまでやってくれなくてもいいと日本人の私は思ってしまうのですが、このイルミネーション、フランス人の一年間の購買力のかなりの部分が高まる時期、フランス人を消費の道へと導き、購買意欲を煽る働きもしているために、迂闊に廃止・・というわけにもいかないのが正直なところなのかもしれません。


クリスマス ノエル イルミネーション削減


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