2022年10月24日月曜日

進化しているフランスのクリーニング屋さん

 



 フランスに来てから、クリーニング屋さんを利用する機会がグッと減った気がします。それでも、当初は、季節が変わるごとにある程度の洋服を出していたのですが、一度、お気に入りだったコートをダメにされて以来、信頼できるクリーニング屋さんを見つけるのはなかなか大変で、近所に新しいクリーニング屋さんができた!と思っても、いつのまにかなくなってしまったり、クリーニング屋さんもなかなか安定した顧客を確保するのが大変で、生き残りが難しいのかもしれません。

 ある時、あるクリーニング屋さんにコートを持っていったら、受付のおばさんに、「ここは、ダメにされたり、預かったものがなくなったりするから預けない方がいいわよ・・」と言われて、ビックリしたこともあります。よっぽど正直な人なのか、自分の働くお店に恨みでもあるのか?ちょっとあり得ないことです。

 結局、「本当にいいのね・・」と脅されるようにしながらも、その時、私が預けたものは無事にクリーニングされて戻ってきましたが、その後、そのお店はいつのまにかなくなってしまいました。

 他の家の様子はわかりませんが、フランス人はアイロンをしっかりかける習慣のあるイメージで、以前、義理の姉の家に行くと、彼女はいつもアイロンをかけているイメージがあり、しかもT-シャツからジーンズなど、何から何まで丁寧にアイロンをかけているのでした。

 そういえば、アフリカにいた時も家にいたボーイさんは家事を何から何までやってくれていましたが、前任者のフランス人の奥さんから色々と仕込まれていて、それこそ洗濯機に入れて洗ったものは全て(パンツまで)アイロンをかけてくれていて、フランス人に仕えるボーイさんにとって、アイロンかけは必須事項で、夫の同僚は、1日中、家にいるボーイさんは雇わずとも掃除とアイロンかけのためのボーイさんを午前中だけ頼んでいました。

 フランスに戻ってボーイさんのいない普通の生活に戻っても、アイロンかけは、なぜか夫がこだわっていて、家事の分担の中で、自ずとアイロンかけは夫が自分でやると言い出し、彼がずっとやっていました。

 夫も亡くなり、私もスーツなどのクリーニングが必要な服は極力着ないようになり、今はシーズン毎のコートくらいですが、最近は、ネットでクリーニングを頼むと集配に来てくれて、配達してくれるというシステムが浸透し出したようで、フランスも変わったなぁ〜とビックリしています。

 そのサービスが浸透することで、ますます元来のクリーニング屋さんの生き残りが難しくなっているそうで、私は頼んだことがありませんが、この集配とクリーニング、そしてクリーニングできたものの配達と、フランスだったら、何重にもハードルがある気がします。

 このサービスのサイトを見ると、「時間を守りますとか、お預かりしたものは大切に取り扱いますとか、プロフェッショナルなクリーニングをお約束します」などと書いてありますが、日本のサービスなら当然のことですが、フランスだと、これまでの経験から、どうも懐疑の念が拭えません。

 私にとっては、まず、集配や宅配に来てくれるといっても、決めた時間に来てくれるという保証もないし、品物がなくならずにキレイになって戻ってくるかどうかもわかりません。この集配や宅配を待ってイライラするのは嫌だな・・と思ってしまいます。

 しかし、本来のクリーニング屋さんが脅かされているというのだから、それなりにこの新しいタイプのクリーニング屋さんもけっこう、廻っているのかもしれません。

 しかし、これ、考えてみれば、クリーニングの注文をネットでするというだけで、日本には以前からあったクリーニング屋さんの御用聞きのようなもので、そんなに新しい話でもありません。ただ、大量に集配するので、工場でまとめて機械を使って合理的に一気にクリーニング処理していくところが違うのですが、洗濯物の集配と宅配については、まさに昔の日本のクリーニング屋さんです。

 日本の実家に来てくれていたクリーニング屋さんのおじさんは、遠くに引っ越してしまってからも、半分、おしゃべりを楽しみにずっと来てくれていたようです。この程度の洗濯物で、こんな遠くにまで来て、割が合うのだろうか?と思うほどでしたが、東京に来ると、区内にあるうちの親戚中を渡り歩き、もはや親戚の動向を誰よりも把握している親戚のおばさんのようなおじさんでした。

 考えてみれば、今、世界中に広がっているUber Eatsなども、ちょっと見方を変えれば、日本には昔からあった出前を現代風にしたもので、日本に昔から存在するものは、けっこう便利なシステムだったのだな・・と思います。


集配・宅配するクリーニング屋さん


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