2022年10月15日土曜日

鎖国を解除した日本について 日本に観光客は戻るのか?

  


 「2020年春にパンデミックのために、外国人観光客をシャットアウトしてしまった日本がようやく今週からその扉を開けた!」と、紹介する報道がちらほら上がってきています。

 日本水際対策のためにしいていた外国人に対しての鎖国を段階的に解き、今年6月には、外国人観光客の入国が許されたものの、それは団体旅行や旅行代理店を通じた旅行に限られていました。

 そんな日本にも、10月からは、ようやく68カ国からの旅行者が再びビザなしで入国できる(ワクチン3回接種証明書あるいは、出発前72時間以内の陰性証明書があれば)ようになったことは、フランスのメディアでも取り上げられ始めました。

 パンデミックのためには、これまで日本人でさえも海外からの入国には、72時間以内の陰性証明やワクチン接種証明書、入国後の検査や強制隔離施設での隔離期間など様々なハードルが設けられていましたが、それ以上に外国人であるというだけで日本入国には、特別な場合にしか入国は認められず、ビザを取得しなければならなかったため、事実上、不可能に近く、またそのビザ取得のためには、日本から書類を取り寄せなければならなかったり、大使館には常にそのための長蛇の列ができて、通常業務にも差し障りが出る大変なことだったのです。

 外国人というだけで入国を拒否し続けてきたことに関しては、その意味は未だもって納得はできませんが、このビザが必要なくなるという発表前にビザを申請するために支払った料金も返金されることはなく、もやもやが残る鎖国解除でもあります。

 パンデミック前の2019年には、3,180万人の海外からの観光客を受け入れ、それに匹敵する経済効果(同年4兆8000億円、現在の価格で約340億ユーロ)を記録しましたが、日本はこの鎖国のために、2021年の訪日外国人旅行者は25万人未満にまで落ち込み、2022年も現時点では、50万人強で、以前の記録には遥か及びません。

 しかし、この鎖国解除の発表以来、日本の航空会社JALの予約は3倍に跳ね上がり、折りしも、記録的な円安を更新し続ける日本は海外からの観光客にとっては、またとないチャンスでもあり、日本は今なお人気の高い観光地であると伝えています。

 そんな日本に行く人のために、海外のメディアが現在の日本について、伝えていることの中で、「ほ〜っ!なるほど・・」と思ったことをお伝えします。

 まず、「コロナウイルスにより、人口1億2600万人近いこの国で約45000人の死者を出したが、これは他の多くの先進国に比べてはるかに少ない。 これは、日本の徹底した衛生管理によるものでもあり、日本ではまだまだ衛生習慣が厳しいので、それを遵守しなければならない。交通機関や店舗では今でもマスク着用が制度化されており、屋外でも厳しく監視されていおり、国は室内ではマスクを着用し、大きな声で話すことを控えるよう促しているので、日本に入国した場合は、この日本人の習慣に適応しなければならない、日本政府は、パンデミック発生時に、ホテルが管理体制に従わない宿泊客を拒否できるようにする規制強化策を承認している」と注意喚起を促しています。

 次に「ほ〜っ!」と思ったのは、「日本はこの鎖国期間に電子決済サービスを拡張し、現金の使用率が依然として高いこの国においては、ちょっとした革命が起こっている」という点です。

 私が2年ぶりに日本に行ったのは今年の4月でしたが、あまりに現金を使う人が多いのにはビックリさせられたばかりでした。銀行のATMなどに行列している人々に、なぜ?こんなに銀行に行列ができるのかを不思議に思ったばかりでした。

 やはり海外から見れば、現金を使うという人がこんなにも多いということは、驚きだということなのです。

 そして、円安と同時に航空運賃が爆上がりしていることにも言及しています。航空運賃は、燃料費の高騰、2020年以降に航空会社が被った多額の損失、ウクライナ戦争によりヨーロッパからのフライトがロシアを迂回せざるを得なくなったことなどで膨れ上がり、日本への観光客への抑止力にもなっています。

 大手オンライン旅行会社MisterFlyによると、日本への航空券の平均価格が83%上昇しているとしており、日本の鎖国解除は、フランス人旅行者の間で大きな関心を呼んでいるものの、この破壊的な航空券の価格上昇は大きな障壁となっていると言っています。

 日本政府は、年初から対ドルで25%値下がりした円安が観光客を呼び、経済活性化につながるものと期待していますが、83%の航空券の価格の上昇とどう折り合いをつけて日本へ行く選択をするかは、決して楽観視はできない状況ではないでしょうか?


日本鎖国解除


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