フランスでは、今年の5月半ばに公共交通機関内でのマスク着用義務化が撤廃されて以来、夏の間は、ほとんどマスクをしている人がいなくなっていました。それでも、マスクをしている人が決してゼロにならなかったのも事実で、これまでマスクを忌み嫌っていたフランス人、よほど痛い目にあったか、恐怖が植え付けられた人なのか・・と思っていました。
3月の段階で、屋内でのマスク義務化が撤廃されて、最後まで残っていたのが公共交通機関でのマスク着用義務でした。
そして、7月末で、2020年3月から施行されていた保健衛生上の緊急事態の期間が終了し、それとともにコロナウィルス感染対策のためにとられたすべての例外措置が終了したので、現在は、これまで行われてきたロックダウンや行動制限措置等が必要になれば、政府は国会と一つ一つ交渉して、対策を講じなければならない状態になっています。
秋の訪れとともに、第8波を迎えているフランスは、1日の新規感染者数は着実に増加し、先週の1日の新規感染者数の平均は56,000人程度、入院患者数は16,000人を超えています。
個人的には、想像していたよりは、増加の速度は遅いような気がしますが、確実に波の高さが上昇中であることに違いはありません。
この状況を受けて、科学技術評議会は公共交通機関(閉鎖空間)でのマスク義務化再開を検討中であることを明らかにしています。
しかし、大多数の人がマスクをしていないとはいえ、最近では、メトロの中などでのマスクをしている人は、少し増えた感じがあり(といっても車内1両中に5〜8人程度)、なんといっても、マスク義務化が撤廃された当初のようにマスクをしている人に対して怪訝な顔をしたり、いちゃもんをつけたりする人がいなくなり、必要だと思う人はマスクをつけ、必要がないと考える人はしないというバランスの良さというか、それぞれの棲み分けが健全にできている感じで悪くないな・・と思っています。
私自身は、現在は、屋外ではマスクはしていませんが、公共交通機関の中ではマスクをするように、マスクはいつも持ち歩いています。
一時は、「マスクをいつまでもしてるなよ!」的な人がいて、嫌な思いをしたこともあるのですが、今はマスクをしている人もしていない人もそれぞれに尊重している感じです。
3月末に屋内でマスク義務化が撤廃された時に、スーパーマーケット内(パリ)で「いつまでマスクしてるんだ!」と他人に絡んでいるおじさんがいて、ゾッとしたり、4月に日本に行った時に、外を歩いていた時に、誰もいない屋外の空間だったので、マスクを外したら、どこからか人がひょっこり出てきて、すっごい怖い顔で睨まれたりして、「うわっ日本人怖い!」と思ったりしたことがありましたが、現在のフランスのマスク事情に関しては、そのようなどちらに対しても、同調圧力というものがなくなり、ちょうどいいというか、バランスがとれて健全になった気がしています。
今後は、急激に感染状況が悪化することがあれば、再び義務化も致し方ないとも思うのですが、今の必要だと思う人はマスクをつけ、マスクをしている人に対しても嫌な顔をしないという状況がちょうどよいのでは?と思っています。
現在は、インフレやエネルギー危機、節電など、他方面からの生活の締め付けられる場面も多く、抑圧されることに溢れているので、マスク義務化はこれまで以上に慎重になっていると思われます。
でも、今のところ、フランスのマスク事情、いい感じです。
コロナウィルス第8波 公共交通機関マスク義務化
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