2022年10月9日日曜日

ランチタイムの中華料理屋さんでの風景 Impérial Choisy

   

フランス人の定番中華メニュー ナム(春巻き)とカナールラッケとチャーハン


 我が家の食卓は、かなり和食というか、日本の食卓に近い料理をすることが多いため、そのための食材の確保のためには、普通のフランスのスーパーマーケットでは、手に入らないものがあって、たまに調味料系や野菜などの買い物に13区のチャイナタウンにあるタンフレール(アジア系スーパーマーケット)に出かけます。

 日本食料品店は、オペラ界隈に何軒かあるのですが、こちらよりも広範囲の商品があり、値段も多少安いので、13区に行くことの方が多いのです。

 13区のタンフレールに行った時には、それがお昼時に重なれば、必ず行く中華料理のレストランがあります。もうかれこれ、10年以上は通っているお店で、いつ行っても活気があり、ちょっと時間を間違えると行列するハメになるほどの人気店です。

 このお店をどうやってみつけたのか?今となってはどんなキッカケで行き始めたのか?記憶もないくらいなのですが、中国人のお客さんも多く、常連さんが多いのにもその人気が伺えます。値段も良心的なわりには、クォリティもたしかで、フランス人のお客さんも少なくないのには、「知っている人は知っているんだな・・」と感心させられます。

 以前に比べると、いつのまにか、お店も格段にきれいになって、今では店舗を地下のスペースにまで拡張しています。

 先日、ちょうど、買い物に行った際に久しぶりに食事に寄って、変わらない安定したお料理を楽しんできました。

 ちょうどお昼時で、仕事の同僚らしき男性客の集まりが多く、世の男性のランチはこんな感じなのか?とちょっと興味深く、観察していました。

 隣に座った二人組の男性、先輩の方は、ちょっと馴れた風を装っていて、何ページもあるメニューを見ながら、後輩くんに、オーダーするの手伝おうか?などと言っていて、しかし、実のところは、そんなに詳しくもなく、オーダーを始めるのを聞いていると、実は後輩くんの方が詳しい感じ・・。こういう人っているよな・・ちょっとカッコ悪・・と思いながら、様子を伺っていました。

 また、少し離れたところにいる4〜5人の、やはり会社の同僚と思われるグループの男性たちは、揃いも揃って、皆がカナールラッケ(Canard laqué )(うっすら甘い五香粉の香りのするソースをつけながらじっくり焼かれた鴨)・・おとなしそうだけど、やたらにハンサムな若い男の子も大人しく先輩方に従っています。

 友人同士ではない、この微妙な距離感の取り方に、平日のランチタイムの独特な雰囲気を感じます。私自身は、仕事中には、食事の時間も同僚と外に食事に出るような時間を取れなかったので、こんな雰囲気も妙に新鮮な感じがします。

 せっかく大勢で来ているのだから、中華料理なんだし、違うものを頼んで、分け合って、色々なものを楽しめばいいものをと思うのに、同じカナールラッケがそれぞれの前に並びます。フランス人は、レストランで皆で分け合って食べることをあまりしないのです。

 実際、中華料理のお店でフランス人の8割型の人はカナールラッケを食べるのではないか?と思うほど、フランスでは人気のカナールラッケです。

 そして、また、反対側に座っている私と同年代の女性とその娘の二人組。なんとなく、そのお嬢さんも娘と同じ年頃で、なんとなく微笑ましく様子を眺めていると、これまたフランス人の中華料理店での三種の神器?とも思われるオーダー。

 カナールラッケとチャーハン(Riz Cantonais / リ・カントネ)と春巻き(といってもナムという米粉の皮を使った小ぶりの春巻き)、これに、このお店の人気メニューの一つでもあるエビワンタンスープ。

 彼女たちのテーブルに並んだメニューを見て、これは、なんとフランス人の中華料理オーダーのお手本?のようなチョイス!と目を丸くしていると、ひたすら食べるお母さんに比べて、軽く春巻きをつまむ程度の娘。「なによ!あなた、あんまり食べないわね〜」と言いながら、ひたすら食べるママ。

 娘の方は、「食べているわよ〜」と言いながらもどこか冷めた感じで、結局、残ったお料理をママがテイクアウト。

 いつだったか、このお店に娘と二人で行って、二人ですごい勢いで食べて、お店の人に「二人とも、よく食べるね〜〜」とビックリされたことを思い出しました。

 実は、このお店、最近、知ったのですが、ミシュランのビブグルマンにも載っている有名店。厳しそうな女性が仕切っていて、店員さんもキビキビしていて、いつ行っても間違いのないお店です。

 そんな有名店とは知らずにいつの間にかもう10年以上も通っていた私のアンテナは、なかなか悪くない・・と妙な満足感を感じています。

 以前、このお店に行った時、メニューを見ていて、私が日本人だとわかったら、「麻婆豆腐は?」と言われたことがあって、フランス人なら、「カナールラッケ」で、日本人だと「麻婆豆腐」というイメージがあるのかな?とちょっとこそばゆい気がしました。


⭐️Impérial Choisy 32 Av. de Choisy 75013


パリ中華料理 ミシュラン ビブグルマン


<関連記事>

「お国柄が現れるフランスの中華料理」

「パリで日本食を作るためにする買い物 タン・フレール(アジア食材店)のおススメ商品」

「今、パリで人気のうどん屋さん 喜心 Kisin」

「パリで見つけた美味しいお蕎麦屋さん あぶりそば Abri Aoba」

「パリで今、大人気のラーメン屋さん KODAWARI RAMEN TSUKIJI こだわりラーメン築地」


0 コメント: