2022年8月21日日曜日

パリで200以上の黄色い郵便ポストが閉鎖 黄色いポストはパリの景観の一部?

  



 私自身は、全然、気づいていなかったのですが、パリでは今年の2月以来、200以上の郵便ポストが閉鎖、または撤去されているそうで、最近、ちょっと話題を呼んでいます。

 フランス郵政省(P.T.T.) は、この郵便ポストの撤去について、郵便物の盗難被害対策をその理由として説明しています。

 2021年には650件以上の盗難被害が報告されているとかで、郵便小包などなら、いざ知らず、ポストに投函される程度の大きさの郵便物の盗難という割の悪そうな犯罪が、どうして、そんなに多発しているのかと思いきや、郵便物から個人情報を集め、勝手にローンを組まれたりするという、なかなかな被害が生じているのです。

 この郵便ポスト撤去に対しては、顧客はもちろんのこと、郵便局の労働組合も仕事がなくなることを恐れてなのか、撤去反対の声があがっていて、労働組合は、「かつてロンドンの街を彩った赤い電話ボックスのように、パリの街を彩る黄色いポストはパリらしい景観を失う」などと、盗難被害対策のもとに隠れたコスト削減策を糾弾しているとかで、それほどパリの景観に寄与しているとも思えない黄色いポスト(その多くは、添付した写真のように汚れている)を、いざとなったら、こじつけるようにパリの景観の一部であるという言い方までして争うのにも、フランス人らしいといえば、フランス人らしいところです。

 そもそも、私自身、郵便ポストというものは、もうあまり利用しなくなっていて、以前は郵便を利用していたものは、ほぼ全てネットで済ませるようになっていて、めっきり郵便ポストを利用する機会はなくなっています。

 以前は、日本にいる家族や友人に手紙を書いたり、娘の写真を撮って送ったりしていたものも、もう長いこと、とんと、手紙も書かず、写真を印刷することさえなくなりました。

 また、以前は、後になってから、きっちり支払ったことを証明できる必要のある支払いは小切手を書いてそれを郵便で送るということをしていましたが、それも全てネットに切り替わり、自分でネットで振り込むようにしてからは、それすらもなくなりました。

 郵便ポスト以前に、我が家の近所にあった郵便局も2つなくなり、ちょっと離れたところ1軒のみになってしまいましたが、そもそもほとんど必要がないために、郵便ポストの前に郵便局自体が減っているので何を今さら・・感もあります。

 日本から荷物を送ってもらったりするのも、たとえ在宅していても不在通知を入れられたりするために、職場に送ってもらうようにしたために、郵便局に取りに行くということもなくなりました。

 郵便ポストの数が減れば、それだけ回収作業も少なくて済むわけで、経費削減にもなるのかもしれませんが、盗難被害自体が減るかどうかは、多少は影響はあるのでしょうが、多くは郵便局内での盗難ということも多いにあり得るので、甚だ疑問ではあります。

 以前、職場の同僚が日本に小包を送ったのに、日本の家族は延々と荷物を受け取っておらず、荷物を出した郵便局へ問い合わせに行ったところ、窓口の女性が彼女が送ったはずのマフラーをしていたのを見つけて、彼女はその女性に食いついて、大騒ぎになったことがありました。

 そのマフラーはどこでも売っている既製品ではなく、一点もののオリジナルのマフラーだったために、彼女が送ったものであることは一目瞭然だったのです。

 そんなわけで、人の手を介すれば介するほど、盗難被害に遭う確率は高く、郵便ポストの撤去が盗難被害に貢献するかは甚だ疑問ではありますが、よほどの公的書類などの他は郵便以外の方法で済ませられるようになっているので、できるだけ違う方法を利用した方がいいというのが私の正直な見解です。

 そもそも、郵便物が届くというのは、ろくな用事ではなく、たいてい何かの請求書で、良い知らせではありません。ここまで書いて思い出したのですが、そういえば、先月の家賃の請求書が届いていません。言っている側から、もしかしたら、これも盗難に遭ったのかもしれません。


パリの郵便ポスト200個撤去


<関連記事>

「フランス生活の修行の一つ 「届くはずの荷物を待つ」」

「フランスとは、大違い!日本の配送事情はやっぱりスゴい!」

「フランスの配送事情の救世主 配送品取扱システム モンディアル・リレーとポアン・リレー」

「高い配送料金を取りながら、ちゃんと品物が届かないフランスの配送事情」

「日本の母からの小包」

0 コメント: