パリ近郊のヴィトリ・シュル・セーヌ(ヴァル・ド・マルヌ県)警察署が、黒い服を着て、フードをかぶった約20人の男たちにより火炎瓶と迫撃砲花火で襲撃される・・「警察署が襲撃される」という事件が起こっています。
これにより警察官二人が負傷しました。
事件が起きたのは午前1時頃。警察署の建物と駐車場に4本の火炎瓶が投げ込まれ、そのうちのいくつかは囲いを守る投影防止ネットに刺さり、警察署の入り口に向かって花火が発射され、迫撃砲1発が目標に命中し、停車してあった警察車両のうちの1台の車の中で爆発し、車が炎上しました。
この炎に包まれた攻撃は45分間も続き、警察官は催涙ガスで応戦し、警察署が他の警察署への増援を要請する事態となりました。
警察官は暴漢の一団を逮捕しようとしましたが、別の暴漢に激しく襲われ、逮捕したのは1名だけ、実際の襲撃にあたった人数よりも、もっと大掛かりな集団での計画的な犯行と見られています。
この警察署襲撃は、前日に逮捕された男の仲間が警察に報復するためのものと見られているようで、麻薬取引地域を車で巡回していた警察官が、職務質問した男性から攻撃を受け、侮辱されたことにより、彼らは車から降り、「侮辱」と「反抗」の罪で男を逮捕したことに由来していたものだと言われています。
事件後、捜査が開始されると、いくつかの爆発用の機器が設置されていたため、計画的な犯行であると見られていますが、警察署に攻撃をしかけるとは、よほど警察に対する怒りを抱えているのか?反抗する態度を表明したいのか? 市民の安全を守るはずの警察が攻撃されるのは、深刻な事態です。
警察側もパトロールの際などに過剰に反応して、暴挙に及ぶこともあるので、彼らを怒らせることがないとは言えないのですが、だからといって、警察署を攻撃するなどというのは、あり得ない話です。
ヴァル・ド・マルヌ県では、つい3週間前にもシャンピニ・シュル・マルヌ警察署が50人ほどのグループに襲撃されるという同様の事件が起こっていたばかりで、今回の事件に関しても、「公権力者への暴力」「損害」「脅迫行為」の容疑で捜査が開始されましたが、なんとか食い止めなければ、このままでは、ヴァル・ド・マルヌ県は警察署が襲われることで有名になる・・と揶揄されています。
それにしても、つい先日もリヨンでパトロール中の警察官が群衆に襲われ、リンチ状態にさらされる事件が起こりましたが、どうにも、アンチポリス、警察に反抗するどころか、警察官、警察署を攻撃するという人々が増加しているようです。
襲撃された警察署に停車してあった車からは、花火用迫撃砲に相当する約60個の迫撃痕が発見され、「より深刻な結果を招きかねない事態である」と警戒を強め、警察官の増員を要請しています。
しかし、それにしてもパリ、パリ近郊は現時点でさえも、警察官の数は異様に多く、今日も通りかかったパリ・リヨン駅構内には、長い銃を抱えた憲兵隊が何人も立っており(いつものことですが)、また、パリの街中でも結構な警察官のグループが待機しているのを見かけて、相変わらず警察官が多いところだなぁ・・物騒な感じだけど、警察官がいてくれるのは安心と思わなきゃいけないのかな?などと思いながら、パリの街を歩いていました。
こんなに警察官や憲兵隊がいるのに、それでも警察官が足りないと言っているのですから、やっぱり、つくづくパリは物騒なのだ・・と暗澹たる気持ちです。
パリ近郊警察署襲撃事件
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