最近、日本のびっくりするようなニュースをフランスのテレビで知ることが増えた気がします。
つい、先日、フランスのテレビのニュースで日本の「サケビバ」の話を報道していて、かなり、驚きました。
このキャンペーンは、20歳から39歳の若者に向けて、酒類業界の活性化や問題解決に対するプラン、特に若年層の需要に向けた新たなサービスやプロモーションなどを募るもので、国税庁のサイトを見ると、これに応募して、なんかいいことあるのかな?と見ると、参加費無料とあるだけで、何もメリットはなさそうです。アイデアを募集しておいて、参加費無料とは、なんたる上から目線!
この「サケビバ」に関して、フランスでは、「日本では、パンデミックの影響などで若者の酒類の消費量が停滞し、税収が大幅に減少したために、これを回復させるために、「サケビバ」なるキャンペーンを始めた・・経済が低迷し、約10兆ユーロの財政赤字を抱える国情」「経済規模の2倍もの公的債務を抱える日本では、新しい収入があれば何でもいいのだ」などと言われています。
もしも、これが酒造メーカーがキャンペーンを張るというのならば、別に驚くこともなく、ニュースにもならなかったと思いますが、これが日本の国税庁が主催というのだから驚きなのです。
フランスでは、テレビや映画館などのメディアでは、アルコール飲料のコマーシャルは禁止、また、スポーツの協賛も国により、禁止されています。街でポスターなどにも、必ず「アルコールの過剰摂取は、健康を害する恐れがあります」というような内容を併記することが義務付けられています。
つまり、国民の健康のために、アルコール摂取量の削減を奨励しているのです。まあ、そうは言っても、アルコールは適度に・・という程度という話ではあります。
それを守って、アルコールをほどほどにしておく人ばかりではない国とはいえ、「税収増」を目的として、国がアルコール摂取を若者に推奨するというのは、よく言えば「すごく奇妙」、はっきり言えば、「日本は税収増化のためなら、国民の健康は考えない国」なのです。
これは、フランス人に指摘されるまでもなく、どう考えても狂ってるとしか思えないことで、このようなキャンペーンを国税庁が主催するといのも、あまりに露骨です。
ただでさえ、高齢者向きに作られている日本社会、このうえ、若者に一般的には健康を害すると言われているアルコールを奨励するという、国民の健康よりも税収を優先する恐怖の政治。
まったく、どこまで節度なく、無自覚にやらかしてくれるのかと、ウンザリさせられます。
だいたい、日本の人口比率を考えれば、若者は少数派、たしかにパンデミックの影響で、いわゆる日本の「ノミニュケーション」のようなものが減り、それ自体も必要だったのか?という疑問が若者の間で広がったかもしれません。
しかし、もともと、ノミニュケーション大好き・全盛期の世代が高齢化して、アルコール消費量が減ったのも大きいと思います。
いかにしても、国として、税収増を考えるならば、普通なら、別の方法を模索するのが当然のこと、もしくは、酒類業界に対して売上増加を促すくらいならば、まだしも、こともあろうか臆面もなく、国税庁が主催して、このようなキャンペーンを張るなど、日本政府は、どこまで世界の認識からズレているのかと本当に恥ずかしい思いです。
そして、どこまで若者を虐げるのかと腹立たしい思いです。
フランスでも若者のワイン離れや、最近の若い子はあまり飲まなくなった・・などと言われていますが、アルコールを奨励することは依然としてあり得ないことなのです。
サケビバ 国税庁
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