2022年8月25日木曜日

フランス発の航空運賃 1年間で 43.5%上昇

  


 フランス民間航空局(DGAC)によると、2022年7月、フランス発の航空運賃の上昇率は、1年前と比較して、すべての目的地を合わせて43.5%に達しました。

 1年前と言われても、1年前の7月といえば、フランスでは、まだまだワクチン接種が思うように進んでいかないためにヘルスパス(ワクチンパスポート)の起用が発表された頃で、ヘルスパスがないと、食事にも旅行にも行けないことになり、皆、慌ててワクチン接種に走り、バカンス先でもワクチン接種をできるようになっていました。

 1年前のそんな時期でも、フランス人は、負けじとバカンスに出かけていましたが、それでも、やはり、普段は海外に出かける人も国内旅行、あるいは、近隣のヨーロッパ諸国に切り替える人が多く、また、外からの観光客もちらほらとは見えたものの、観光業界(特に航空業界)は通常モードには戻っていませんでした。

 私自身もまだまだ、長距離の移動は怖くて、バカンスに行くつもりもなかったため、航空運賃などをチェックすることもしていませんでした。感染が怖かったこともありますが、せっかく旅行に行ってまで、やれ検査だ隔離だなどという煩わしさはごめんこうむりたかったこともありました。

 パンデミックが始まって以来、来年には、元に戻るかな?と毎年のように思いながら、もう2年以上、次はウクライナでの戦争が始まり、日本行きなどの飛行機はキャンセルが続いたと思ったら、今度は迂回便のための長距離フライトと燃料費高騰のためのチケット爆上がり。

 普通なら、経由便ならば、時間がかかる代わりに、少々、お値段は安くなるところが、今までよりもずっと時間がかかるにも関わらず、値段はずっと高くなっているのですから、納得いきません。

 そして、それは、日本行きに限ったことではなく、フランス発の航空運賃全般にわたる値上げ(まあ当然ではあるけど・・)、しかも1年で40%以上も値上げしているなど、狂気の沙汰です。それでも、みんなインフレ、インフレ・・と騒ぎ立てているわりには、フランス人はバカンスには出かけるところを見ると、みんなお金あるんだな・・と感心したりもします。

 2022年の夏は、観光業は、ほぼ通常どおりまでに回復しているとのことで、ユーロコントロールの調査によると、フランスの空港では、1日に約4,200便が運航され、これはパンデミック以前の数字の90%の数字にまでのぼっているということです。

 一般的に「航空券の価格は需要と供給によって決まる」と言われていますが、需要は、ほぼ戻りつつあるとはいえ、これにプラスして、燃料費の高騰の問題があります。

 2021年半ばには、燃料がコストの15%を占めていたのに対し、2022年上半期には29%を占めていると言います。このコストに入れられる分と燃油サーチャージとして追加に乗せられる金額をどう設定しているのかは疑問なのですが、JALは、10月から、燃油サーチャージがまた値上げになり、北米、中東、オセアニア、ヨーロッパ線は燃油サーチャージだけで114,400円に値上げするとのニュースを見て、ちょっともうため息も出ない感じです。

 日本は最近、外国人観光客の入国制限を緩和するという発表があったというので、これでフランス人も日本に旅行ができるようになるんだ!!と期待したら、なんのことはない、大した緩和ではなく、依然として個人旅行客は認めないという意味のわからない緩和。しかも、もうすぐ夏休みも終わりというタイミング。これでは、日本へ行く外国人観光客は戻りません。

 パンデミック前の日本行きの飛行機(パリ⇄羽田便)などは、9割型フランス人で埋められていたのに、これらの人々が行けないということは、「航空券の価格は需要と供給によって決まる」のならば、日本行きの航空券の値段は、まだまだ下がらないということで、これに燃油価格の高騰分を加算すれば、雪だるま式に高くなるわけです。

 しかし、パンデミックから戦争と続き、失われていく時間は長くなるばかり、夏のバカンスシーズンが終わったら、もう日本行きは諦めて、近場のヨーロッパの中でどこかへ行こうと思っていたら、欧州域内路線では54.5%値上げしているとのことで、ちょっと萎えてしまいました。

 そして、また、フランス民間航空局(DGAC)が、「航空券は、冬から来年にかけて5〜10%値上げする」と追い討ちをかけるような発表。

 航空運賃が少しでも下がるのを待つか、失われていく時間を少しでも早く取り戻すか? 悩ましいところです。



航空運賃値上げ


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