ウクライナでの戦争が始まってしばらくして、ひまわりオイルがスーパーマーケットの棚から消え始めたのは、4月に入ってからのことでした。フランス人って、そんなにひまわりオイルを使ってたのかな??と思っていたら、ひまわりオイルだけでなく、他の食用オイルも消え始めました。
結局、最後までいつも棚にあったのはオリーブオイルでしたが、これは、ヨーロッパ内での供給が比較的安定しているからなんだな・・と思っていました。
特にそんなに使っているわけではなくとも、なくなるとなると、一応、買っておこうか・・と思うのが心情なのか、ぐんぐんと値上がりしたにもかかわらず、飛ぶように売れていくのですから、お店側としては、なんとしてでも仕入れて売りたいと思ったのもまた頷けます。
スーパーマーケットの売り場の中央に、「どうだ!」と言わんばかりにひまわりオイル入りの段ボール箱が山積みにされ、「こんなにあるんだ・・」と驚かされたのが6月頃のこと、その頃はまだ、それでも売れていたのでしょうが、現在、ひまわりオイルはさっぱり売れなくなり、店舗側は大量のストックを抱えてしまったと言われています。
しかし、ひまわりオイルに関しては、この騒動がきっかけとなり、ここ数ヶ月で、通常の数年分の売り上げを記録しています。これまでの在庫を一掃したと同時に値段がこれまでの約2倍になっても飛ぶようにうれたのですから、食用オイル業界は、いくら原価や輸送のための燃料費が上昇したとしても、まさか2倍の値段でさえも売れたわけで、ないないと言いつつ、実はバブルに沸いていたわけです。
しかし、バブルであったならば、引き際も大事だったはずなのに、現在はダブつき状態。
本来ならば売れるはずのない量を買い占めという現象のために、そもそも、もともとは一般家庭ではそれほどは消費されてもいないひまわりオイルはある程度、買いだめしたところで、それ以上は必要はなく、今やひまわりオイルは、ぱったり売れなくなったのです。
これは2年前のサージカルマスクと同じ状態で、もともとマスクをする習慣のなかったフランスでは、一般的には、マスクの買い置きなどあるわけもなく、とにかくマスクが不足していて、輸入されるマスクがVIP扱いで警察に先導されて病院に運ばれるような状態で、いざ、ロックダウン解除の際には、マスクは異常な価格で販売されていて、当初はそれでさえ、なかなか買えない状態が続いていました。
それがマスクが普及するにつれ、そして、感染も少し下火になりつつあり、ほとんどの人がマスクをしなくなり、マスクは今やフランスの薬局には山積みにされていて、スーパーマーケットにさえ、マスクが未だに積まれているのを見かけます。
マスクの場合は、この需要と供給のバランスの変化がさらに著しく、現在はマスクなどする人はほとんどいないのですから、2年前から考えたら信じられないくらい値段が下がっていますが、それでも、売れません。
私はこの期間、ひまわりオイルも食用オイルも、以前からの買い置きもあるし、この際、できるだけオイルは控えめにしておこうと、価格が上がって以降、買いませんでしたし、マスクに関しても、どういうわけだか、さすが日本人?家の中を探し回ったら、マスクのストックは少々あり、こうして値段が下がってくれるまで、不自由することもありませんでした。
この不安定な時代、○○がない!と騒いでいても、なければないで、あるもので何とかしてみるか、あまりジタバタしないのが賢明だと今、再び肝に銘ずるのでした。
もともとフランスでは手に入りにくい日本食材を使わずになんとか代用品で、日本食もどきのものを作ろうとする生活ゆえ、代用品利用の訓練は否応なしに積んでいます。
今回は、戦争ではなく、干ばつ被害で牛乳が不足するかもと言われていると思ったら、今度はじゃがいも栽培に大きく影響が出ていると、早くもじゃがいも不足が懸念され始めました。
なにも、じゃがいもがなくとも他に食べるものはたくさんあるわけで、むしろ、供給側から煽られているような気もするわけで、もう余程のものでも無い限り、何が不足しようとその時あるもので済ませよう・・たびたび振り回されるのはバカバカしい気がしてきました。
ひまわりオイル過剰ストック
<関連記事>
「マクロン大統領の「ロシアに恥をかかせるな」発言と山積みのひまわりオイル」
「ガソリン、電気、食用オイルの次は、トイレットペーパーの価格が爆上がり」
「ひまわりオイルの次はマスタードがない! フランスのマスタード不足」
0 コメント:
コメントを投稿