フランスの人気ユーチューバーの一人である通称ユーゴ(Hugo Travers氏)が新年度が始まる日のタイミングを狙って、「若者の将来」を中心としたテーマで、マクロン大統領への独占インタビュー映像が、当日、午後6時にYouTube、TikTokで同時に配信され、話題を呼んでいます。
彼は、TikTokで500 万人以上、YouTubeで200 万人以上の登録者を抱える、特に若者に大きな影響力を持つ人物でもあります。若干、26歳の彼の位置づけは、もはやユーチューバーというよりも、ジャーナリストと呼ぶにふさわしいもので、毎日毎日、国内はもとより、世界中のニュースを抜粋して、客観的に解説して伝え、10分程度に編集されている彼のYouTubeは私もほぼ毎日、視聴しています。
私が彼のニュースを好んで見ているのは、あくまでニュースが客観的に伝えられているためですが、マクロン大統領を始めとする政治家たちや、時代を動かしているような著名人に対するインタビューなどの中に彼の確固とした信念が感じられることでもあります。嫌みの感じられない好青年の印象です。
日々のニュースの中で話題になりそうな問題については、SNSを通じてアンケートをとったり、また、それをInstagramなどでさらに、詳しく解説したりしながら、特に若者に関係するテーマに熱心に取り組んでいます。
いわゆる○○チャレンジ・・とか、エンタメ系ではないユーチューバーがこれだけ人気があるというのも、政治の話題が好きなフランス人らしいところではありますが、このような若者からのインタビューや対談などでも、政治家が力強く自分の言葉で語るところなどには、日本にも、このような場面があったらいいのに・・と思うところでもあります。
今回のインタビュー映像は、忙しい大統領が2時間以上、彼の質問に答えながら語るというもので、フランスでは、急上昇ランク1位、24時間以内に100万回再生を突破しています。
数々のインタビュー依頼があるにもかかわらず、このタイミングで彼のインタビューを受けた大統領の側の意気込みが感じられるほどに、ものすごい熱量で、白熱して話続けるマクロン大統領の勢いを、若い彼の方が冷静に、しかし、適格に進行していく様子は、それはそれで、興味深いものでもありました。
彼は、質問の最初に若者のうつ病が増加していることから、精神科の医師不足などの問題から始まり、今、話題になっている公立校でのアバヤ着用禁止問題や制服について、学校のバカンス短縮問題から、子供へのスポーツの重要性や環境問題の一環として、49ユーロで公共交通機関への無制限のアクセスを提供するドイツのモデルと同様の鉄道へのアクセスを促進する措置に好意的であることなどを述べています。
私はこの内容よりも、日本にはおそらくあり得ないだろう大統領と若者が、若者の、そして国の現状の問題や未来を踏まえて熱く語る姿を羨ましいと思って見ていました。
私は、マクロン大統領を全面的に支持するわけではありませんが、少なくとも、こうして若者に対して、もう止まらないと思うくらい熱く語る国のリーダーをいいなと思うし、そして、適格に社会の動きを捉えながら、多くの若者の言葉を代弁して大統領からの話を引き出す若者の存在を好ましいと思うのです。
日本のYouTube業界には詳しくないものの、思い浮かぶのは、スキャンダルを暴くことで爆発的な人気を博したユーチューバーが国会議員になったものの、あっという間に消えていったという出来事で、正当に国をよくしていくような政治家からの若者への歩み寄りも、それにぶつかっていこうとする若者も日本には、見られないのは、残念なことです。
フランス人気ユーチューバーのマクロン大統領インタビュー100万回再生
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