2023年9月1日金曜日

ダイアナ妃の命日 アルマ橋にある記念碑には、今もお花が絶えることはない

  


 8月31日という夏の終わりを告げるような日は、ダイアナ妃がパリでの悲劇的な事故で亡くなった日で、私もその日のことをぼんやりと覚えています。

 なんとなく、ぼんやりと夏の終わりだった気がするものの、当時、私はアフリカに住んでいて、ほぼ一年中が夏のような暮らしだったのですが、8月ももう終わりという区切りのタイミングだったために、なんとなく、夏の終わりだったことを覚えているのです。

 あの日は、家にいて、つけっぱなしになっていたテレビはたしか、CNNのニュースだったと思うのですが、何か別のことをしながら、見ていたというよりは、眺めていた感じだったので、突如、ダイアナ妃の映像に切り替わり、映像の下には、Diana Spencer(1961~1997)と記されていて、生まれた歳はともかく、「なんで、1997で閉じられているのだろうか?」と一瞬、考えてから、「えっ??まさか??」と思ったことを思い出します。

 あれから、しばらくして、我が家はパリに引っ越すことになり、その後にアルマ橋には、ダイアナ妃を偲ぶモニュメントが建てられたと聞いていて、たまに、近くを通ることがあっても、「ああ、あそこなんだなぁ・・」とそのたびに思うくらいで、特に記念碑?を訪れることはありませんでした。

 しかし、あの場所は、あれ以来、ある種の観光名所とは言わないまでも、車やバスなどで通りすぎることがあれば、パリをガイドしている人は、必ず、一言、説明を加える場所にもなっているようです。

 なんと、ダイアナ妃が亡くなってから、すでに26年が経っているそうで、いくら衝撃的な事故であったとしても、事故現場とはいえ、ダイアナ妃にとっては異国の地である場所に大きな記念碑が建つだけでなく、26年間、人の足が絶えることがないというのも凄いことです。

 しかし、あらためて、調べてみると、あのモニュメントは、自由の女神の100周年を記念して、アメリカからフランスに送られたニューヨークにある自由の女神が掲げている炎のレプリカ版であり、送られた当初、パリ市はこの高さ3.5メートルもあり、なかなか明るいゴールドのこの炎のモニュメントをどこに置き、どのような位置づけとして扱うか、処遇を図りかねたまま、アルマ橋に設置したと言われています。

 アメリカから自由の女神100周年記念で送られたとはいえ、正直、「何あれ?」という感じで存在感もあまりありませんでしたが、その後、ダイアナ妃の悲劇的な事故がアルマ橋の下で起こり、この炎のモニュメントは、図らずも、その意味を与えられることになったという不思議なめぐりあわせになっています。

 このモニュメントは、1980年代から存在していたものでありながら、あまり注目されることもなく、ダイアナ妃の事故によって、新たな意味付けを与えられたかたちになったようですが、鎮魂の炎として、また、華やかで美しかったダイアナ妃の慰霊碑として、あまりにピッタリ着すぎて、怖いくらいです。

 事故現場は陸橋の下なので、そこを歩くことはできませんが、こんなところで、死亡事故が起こるほどのスピードを出していたのか?と思わないでもありませんが、陸橋の下は、当然、交差する道路もなく、また、歩行者が絶対に通らないところなので、今でも、なかなかのスピードを出して車が走っていて、なるほど、夜遅い時間で、パパラッチとのカーチェイスのようなことをしていたら、事故は起こりかねないのかもしれないとも思える場所です。

 しかし、このダイアナ妃のモニュメントになっている場所は、セーヌ川を含めたパリの街なみが広がるエッフェル塔をまるまる拝めることができるパリの絵葉書に登場するような美しい場所で、美しい人がこの美しい場所で亡くなり、しかも、そこには、あたかも彼女のために用意されていたかのごときモニュメントが存在していたことに、不思議な偶然を感じさせられるのです。



 彼女の26回目の命日のために、お花はもちろんのこと、写真や手作りのメッセージが飾られていて、若くして亡くなった彼女の写真は当然のごとく、若く美しいままです。

 どういうわけだか、フランス人はイギリス王室の話題が大好きですが、なんといっても未来永劫の人気を保ち続けるのは、ダイアナ妃だろうと思われます。今では、長きにわたり王座におられたエリザベス女王も亡くなり、なんだか、今一つ人気が冴えないチャールズ国王ですが、今年、即位後、初の海外公式訪問にフランスを選んでくれていたのに、フランスは年金問題の暴動で、彼のフランス訪問はキャンセルになっていました。

 9月には、その延期されていた公式訪問が予定されていますが、彼がフランスを訪問した際には、このアルマ橋を訪れるのでしょうか?


ダイアナ妃 アルマ橋 炎のモニュメント


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