現在、フランスではラグビーのワールドカップを開催中で、街中には、サポーターの集団がワイワイしているのを見かけたりするので、普段、あまりラグビーに興味がない私は、今さらのように、「ラグビーってこんなに人気あるスポーツだったんだ・・」などと、少々ズレたことを感じたりしていました。
ラグビーとは全然関係なしに、このワールドカップが始まる少し前に、たまたまパリのコンコルド広場近くを通ったら、ずっと工事中だった場所に大きな仮設の建物が建っていて、「あれ?オリンピックの用意ができ始めたんだ・・見てみよう!」などと、行ってみると、まず、その建物には、マスターカードのマークがやたらと張り付いていて、「えっ?オリンピックはVISAカードじゃなかったっけ?」などと、「へっ??」と思っていると、それは、ラグビーのワールドカップのオフィシャルショップ(けっこうな広さ)で、なるほど、ワールドカップの方は、マスターカードがスポンサーなのか・・と気が付いたのでした。
しかし、ワールドカップのために、コンコルド広場にこんなスペースを設けるとは、なかなかなアピール具合です。
コンコルド広場には、その他、いくつかのスポンサー会社のテントが張られていて、その中に「Asahi」のテントを見つけて、「やるな~!日本の会社も頑張っているぞ!」と思ったばかりでした。
日本でのジャニーズの性加害スキャンダルについては、フランスでは、今のところ、テレビメディアでまでは、それほど大きな扱いにはなっていませんが、新聞媒体(ルモンド紙)では、ジャパンラグビーのアンバサダーとして起用されているジャニーズ事務所のタレントであることを問題視する記事を掲載したりはしています。
そんな中、ジャニーズ事務所の謝罪と新体制の記者会見を受けて、次々と企業側がジャニーズタレントの広告起用を取りやめる発表をし始めていますが、中でもいち早く、アサヒホールディングスが入っていたことに、なるほど・・と思った次第です。
日本では、このような事態に対して、曖昧な状態でいることが、さほど責められないどころか、賛否両論あるなどと、甘いことを言っていますが、このような事態は、海外では一発アウトの案件であり、今回のラグビーのワールドカップのスポンサーなどという、世界中の注目を集めるイベントのスポンサーとしての立場にいるアサヒホールディングスは、いち早く、キッパリとした対応をとる必要があったのです。
さもなければ、世界の大舞台のスポンサー企業として名を連ねていることで、通常以上に一企業として注目される立場にあるわけで、同企業の社長が会見で「ジャニーズタレントを起用するということは、人権問題に寛容な企業と判断される」と発表しているように、はっきりした態度をとる世界基準に沿ったきっぱりとした対応を早急に表明する必要があったのです。
現在、どの程度、どの企業の広告にジャニーズタレントが起用されているのかは、わかりませんが、このワールドカップのスポンサーであるアサヒホールディングスの対応を考えれば、来年のパリオリンピックのスポンサーとなっている企業、ブリヂストン、コカ・コーラ、パナソニック、トヨタなどは、同様の対応をとらざるを得ないことは必須です。
世界的には、タレントに罪はないなどという理屈は通用せず、むしろ、このような事務所のタレントを広告に起用したりすることは、マイナスイメージにしかならないのが世界の常識なのです。
ラグビーワールドカップ アサヒホールディングス ジャニーズ事務所
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