2022年11月30日水曜日

フランスを襲うコロナウィルス、細気管支炎、インフルエンザの呼吸器系トリプル感染症

  


 すでに11月の初旬に問題視されていた細気管支炎の流行による、特に小児科病棟の圧迫は、この約1ヶ月の間もとどまる様子をみせずに満床状態が続き、コロナウィルス感染も再び増加傾向に転じ、冬に向けての強いインフルエンザの流行も予想され、コロナウィルスだけではないこの三つの感染症が同時に蔓延することで、感染症専門家は再び警鐘を鳴らしはじめています。

 このような病気の組み合わせは「フランスでも前例がないことである」と感染症専門医は危機感を露にしています。

 パリ近郊のある病院では、先週末から記録している入院はすべて、呼吸器感染症に罹ったもので、この急性ウィルス性感染症の蔓延は、今年に入ってから過去最高レベルに達しており、すでに政府は11月上旬にホワイトプラン(深刻な保健衛生上の緊急事態を予測し、患者の急激な大量増加に備えるための例外的な措置)の採択を余儀なくされています。

 フランス公衆衛生局は、細気管支炎による入院が、3週連続で2歳以下の子供の救急外来受診後の入院の半数を占めていると報告しています。

 11月末には、この細気管支炎の流行のピークを過ぎるという医療関係者のこれまでの予想が裏切られるなか、コロナウィルス感染の増加(毎日、45,000人近い新規感染)がこれに覆いかぶさるかたちで襲い掛かっています。

 この流行は南フランス、特にオクシタニー地方で最も強く、オー・ド・ピレネー県では人口10万人あたり740人以上と、フランスで最も高い発症率となっています。

 この流行の原因の一つには、10月に再開されたワクチン接種キャンペーンが想像以上に軌道に乗っていないこともありそうです。インフルエンザについても同様で、昨年同時期よりもインフルエンザのワクチン接種を受ける人は大幅に減少しています。

 昨年までは、マスクにより、インフルエンザなども回避できていた状況が、今年は一転して、すっかり通常モードにほぼ戻っていることもこの3つの感染症が同時に広まりつつある状況を招いています。

 そういう私も昨年末は、コロナウィルスが爆発的に増加していたこともあって、コロナウィルスはもちろんのこと、インフルエンザに感染して、体調を崩すことが怖くて、数年ぶりにインフルエンザのワクチン接種を受けたのに、今年は、もう少し様子を見てからにしようとあと伸ばしにしていました。

 感染症専門家は、今年の冬はこの三つのウィルスは、おそらく重なり合い、互いに追随しあうだろうと述べており、この三つの呼吸器系感染症による爆発的なカクテルができるための材料は十分すぎるほどに揃っていると警告しています。

 昨年、インフルエンザワクチン接種後に体調が悪かったこともあり、尻込みしていましたが、そろそろ折り合いを見て、インフルエンザのワクチン接種に行かなくては・・と思っています。


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