大使館は外地においても、その国の治外法権と言われますが、在中国フランス大使館が中国がいまだに取り続けている厳しい「ゼロコロナ」政策をソーシャルネットワークWeiboの公式アカウントに中国語でで公開された異例のメッセージの中で、「不必要で過剰な制限」であると厳しく批判したことが大きな反響を呼んでいるようです。
いつまでも外国人を締め出して、鎖国状態をとり続けていた日本も、ようやく外国人を受け入れるようになり、それまでは、外国人をシャットアウトしている国として、世界地図の中で日本は中国と同じ色に塗りつぶされていて、「うわっ!中国と同じ扱いにされている!」と残念な気がした覚えもあります。
しかし、実際には、中国国内の「ゼロコロナ政策」は、日本の比ではない厳しさで、患者が出るとすぐに監禁を課し、陽性反応が出た人をセンターに隔離し、公共の場に出るにはほぼ毎日PCR検査を義務付けるような、しかも、その強制的かつ時には暴力的にも見える拘束の仕方は、度々、フランスのメディアでも、その映像が流されていました。
今回の在中国フランス大使館のメッセージは、「このゼロコロナ政策は不必要で過剰な制限であり、中国に存在するフランス企業に影響を与えるものであり、中仏間の貿易・投資を維持・発展させるためには、透明で予測可能かつ公正なビジネス環境が不可欠である」と訴えています。
中国は、ゼロコロナ政策の緩和を発表し、特に中国到着時の検疫期間を短縮し、渡航を容易にするとしていますが、フランス大使館は、中国側の緩和措置は「期待に応えていない」と、中国側に「不必要で過剰な制限を排除する」ように求めているものです。
このフランス大使館のSNSでのコメントの3日前に、中国政府はコロナウィルス感染者の急増を理由に、巨大なiPhone工場がある中国中部の都市、鄭州市のロックダウンを宣言したばかりでした。
本来ならば、他国の政策に口を出すことは、あまり歓迎されるべきものではないとは思われますが、このメッセージに関しては、このゼロコロナ政策にうんざりしている中国の人々から広く歓迎され、あっという間に8万5000回以上「いいね!」が付き、1万件以上の好意的なコメントが寄せられ、大変な盛り上がりを見せているようです。
「フランスは本当に革命の国だ!」と感謝する人や、「ありがとう、フランスがワールドカップで優勝することを願うよ!」「企業資本主義 を守ってくれてありがとう!」などの圧倒的に好意的なコメントが多いようですが、中には、「なぜフランス企業が中国のコロナ対策に口を挟むのか?」と、もっともといえば、もっともなコメントもあるようです。
国ごとに対策が違うことも、致し方ないとはいえ、今ではほぼ普通の生活を送っている身としては、「ここまでやる必要があるのかな?」とは思いますが、どうせ、ここまでやるならば、なぜ、最初に武漢でウィルスがばら撒かれた最初の最初に、このような対処をしてくれなかったのだろうか?と、思ってしまいます。
在中国フランス大使館 SNS ゼロコロナ批判
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