2022年12月15日から、フランスは、電気・電子機器に修理ボーナスの導入をスタートさせます。これは、2020年、循環型経済法で規定された修理基金で、機器の長寿命化と廃棄物削減を目的としたもので、この基金には6年間で4億1千万ユーロが割り当てられる予定です。
現在、約15億点の電気・電子機器が流通するフランスでは、年間約1,000万件の修理が行われていると推定されていますが、この修理ボーナス導入により、この修理量を20%増加させることを目標としています。
つまりは、「捨てずに修理して使おう! そのために、一部は負担するよ!」ということです。
この修理ボーナスは製品の種類により、金額は10ユーロから45ユーロに分類されています。
・10€ コーヒーメーカー、アイロンなど
・15€ 掃除機、DVDプレーヤー、ホームシアター、楽器、自転車、スクーターなど
・20€ ゲーム機、スピーカーなど
・25€ ワインセラー、洗濯機、冷蔵庫/冷凍庫、タブレット、携帯電話など
・30€ テレビ、ビデオプロジェクターなど
・45€ デスクトップ、ノートパソコンなど
修理の内容に関わらず、この修理ボーナスは固定されたままということです。
そして、2024年には、ディープフライヤー、プリンター、フードプロセッサー、電子レンジが、2025年には、エアコン、ヘアドライヤー、扇風機が追加される予定になっています。
2022年12月の段階では、対象とされる30種類ほどの家電製品について、先着500社の認定修理業者(「QualiRépar」ラベル付き)に修理を依頼した場合にのみ、このボーナスの恩恵を受けることができるようになります。
この認定修理業者は、2023年までに1,500社、2027年までに1万社を見込んでおり、すべてのタイプ(独立系、メーカーアフターサービス、代理店アフターサービス)が含まれるようになります。
フランス人は比較的、古いものを大切に使い続け、中古品なども積極的に利用する傾向が強く、粗大ゴミなどでも、捨てるそばから拾っていく人も少なくない印象があり、私も一度、壊れた掃除機を捨てに行ったら、「それ捨てるんですか?」と言われたことがあります。
しかし、私は恥ずかしながら洗濯機や冷蔵庫、オーブンなどは、もはや修理しようと考えたこともなく、ハナから無理だと決めつけ、新しいものを買って、買う際に必ず古いものを引き取ってくれることを交渉してくるくらいしか考えたことがありませんでした。
ちょっと前ですが、ノートパソコンが壊れた際には、修理ができるか?いくらでできるか?を見てもらいにアップルストアーに行ったことがあるのですが、とても修理とは思えない金額で、諦めたことがありました。
そうなのです。電化製品が壊れた場合は、普通なら修理するか、新品に買い替えるかを検討するところですが、往々にして修理代が異様に高額で、それなら新しいものを買った方がいい・・となってしまうのです。
フランスの場合は、修理に来てもらう時点で、頼んだ日時にちゃんと来てくれる可能性も低いうえに、その人が十分に修理できる技術を有している可能性はさらに低く、そんな煩わしさも考えると、特に緊急性の高い冷蔵庫などに関しては、即、買い替えをしてしまうのです。
新しい冷蔵庫を買った時でさえ、配達の日にちを勝手に変更された挙句にようやく届いたと思ったら、「ぶつけて穴をあけてしまったので、値引きするのでこれでいいか?」などと言われて、「良いわけないだろ!」と憤慨したことがありました。
この修理ボーナスは大変、ありがたい話ではありますが、製品にもよりますが、ちょっと安すぎないか?と思ってしまいます。一応、各製品の平均的な修理費用の20%程度に相当するはずだとしていますが、「いやいやいや〜〜〜そんな安くない〜〜」と思うのは私だけでしょうか?
この家電製品修理ボーナス、どの程度の結果がでるか、ちょっと見ものな気がしています。
家電製品修理ボーナス
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