2022年11月7日月曜日

パリのラーメン屋さんで感じる違和感 

  


 考えてみれば、私は日本でほとんどラーメン屋さんというものに行ったことがありません。本当にこんなに長く生きてきて、ラーメンは決して嫌いではないのに、なぜだか日本でラーメン屋さんに行ったという記憶は、片手で足りるくらいしかありません。

 麺類は大好きなのですが、昔からどちらかといえば、お蕎麦の方が好きで、日本で仕事をしていた頃は、毎日のように、お昼は外食をしていたにもかかわらず、なぜか職場の近くにはラーメン屋さんはなく、その代わりにオヤジのように週2〜3回はお蕎麦屋さんに通っていました。

 今でも、日本に一時帰国した際に限られた食事の回数を考えると、ラーメン屋さんに行く余裕はなく、結局、たまにラーメン屋さんに行くとなるとパリでラーメン屋さんということになってしまう不思議なことになってしまいます。

 それでさえ、せいぜい年に1〜2回です。パリで日本食を食べる時に、日本円に換算するのは、ご法度なのですが(ラーメン一杯2,000円とかになってしまうので、バカバカしくなるので・・)、やはり、そんなに日本でラーメン屋さんに行ったことがないとはいえ、たかがラーメンにこの値段?と思ってしまいがちで、結局、私が一番食べる機会が多いラーメンは、パリでもわりと手軽に手に入るインスタントラーメンであることが多いのです。

 私がパリに来たばかりの頃は、数えるほどしかなかったラーメン屋さんも、今ではわりとあちこちに見かけるようになり、特に日本食屋さんが集結しているようなオペラ座界隈の地域になると、けっこうな数に増えたうえに、どこのラーメン屋さんも行列ができるほどの人気で、お寿司ほどではないにせよ、パリでRamen(ラーメン)は、ポピュラーな存在になりました。

 日本でのラーメンの値段を考えなければ、Ramenは、外食にしては、そんなに高い方でもなく、若者にも人気なのですが、彼らのラーメンを食べる姿に、微笑ましさと、どこか違和感も感じます。

 最近では、かなりお箸を使える人が増えたとはいえ、やはり麺類をお箸で掴むというのは、難易度が高いこともあるのか、どこか、たどたどしいお箸使いや食べ終わった後のお箸を交差させたまま、どんぶりのスープに浸かっていたりする様子には、ちょっとげんなりすることもあります。

 しかし、一番、もったいないなぁ〜と思うことは、彼らは、「麺類をすする」ということをせずに食べることで、どこかぎこちなさを感じるとともに、「それじゃ!ラーメンは十分に味わえないだろ〜が・・」と思うのです。

 彼らにとって、音を立ててスープをすすったりするのは、マナー違反という生活習慣?食習慣?に加えて、彼らには「麺をすする」ということができない人も少なくない気もします。

 麺類をすすりながら食べるという技?を私は自分がいつ身につけたのか覚えがないほど、日本人にとっては、ラーメンだけでなく、お蕎麦、うどん、お素麺などと麺類の多い国に生まれた面食い人種にとっては、当たり前のようなことが、考えてみたら、「食べ物を吸い込むがごとく食べる」ということは、逆に独特な技なのかもしれません。

 逆にいえば、洋食のテーブルマナーなどでは、食器はガチャガチャ音をたてないとか、スープはズーズー音をたてて飲まないなどと言われていた気がするので、彼らがラーメンを食べる際にラーメンをすすらないのも、それまでの食文化の違いと考えれば当然といえば当然でもあります。

 それに加えて、フランス人には猫舌の人も多いので、以前はラーメン屋さんでさえも、フランス人仕様に湯気のたっていないラーメンを出すお店があったりしましたが(今はどうなっているのかわかりませんが)、最近は、パリでも、さすがに熱々のラーメンしかお目にかからなくなりました。

 しかし、せっかくのラーメン、すすらないでは味も半減してしまう気がして私としては気になって仕方なく、ラーメン屋さんに行くたびに、確認するように、周囲の人を遠くから、見守ってしまうのです。

 想像してみてください、すすらないで食べるラーメンを・・。


すする ラーメン パリのラーメン屋さん


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