2023年5月5日金曜日

マドレーヌ寺院界隈の移り変わり

 


 先日、ある場所に行こうとして出かけたら、外出する前にチェックした時には、何ら問題はなかったのに、途中でメトロが止まっている線があって、急遽、行先を変更して、久しぶりにマドレーヌ界隈に行くことにしました。

 マドレーヌ寺院の界隈は、特によく行く場所というわけではないのですが、それでもぶらりと歩くには、なかなか楽しい場所でもあります。

 この辺りは、パリの中心地のどこからでも比較的アクセスしやすくて、きれいな街なみで、高級食料品店がたくさんある場所でもあるのです。

 以前は、この界隈のランドマーク的(といっても一番のランドマークはマドレーヌ寺院なのですが・・)存在だった高級食材のデパートのようなフォション(FAUCHON)やエディアール(HEDIARD)などは、日本から友人が来たりすると必ず寄ってみたりするお店でした。

 しかし、黄色いベスト運動やパンデミックによるロックダウンで大打撃を受けた後に破産申請して、この界隈を華やかにしていた、あの独特な黒地に白抜きの文字のロゴにピンクがあしらわれているお店の灯は消えてしまいました。

 フォションがなくなって、早や3年が経とうとしていますが、フォションの跡地は、まだ、次のお店が入っていないようでした。


フォションも小さいお店は残っている


 しかし、このインパクトのあるフォションが消えてなお(小さいお店は別の場所に残っています)、この界隈には、私の大好きなメゾンドショコラもあるし、マカロンで有名なラデ、トリュフ専門店、キャビアの専門店、マスタードのマイーユや紅茶のマリアージュフレールなどのお店があり、見るだけでも退屈しないお店がたくさんある場所です。


マリアージュフレール


 どのお店も他でも買える商品もありますが、お店ひとつひとつが趣のある店内のつくりで、マリアージュフレールなどはお店に一歩入ると紅茶の香りに包まれて幸せな気分になれます。

キャビア専門店KASPIA


メゾン・ド・トリュフ


 パンデミック(特にロックダウン)以来、かなりお店の移り変わりが激しいパリですが、老舗と言われるお店もこうして生き残っていてくれるのは嬉しいことでもあります。

 そして、この界隈にくればたいてい立ち寄ってみるイケア(IKEA)(スウェーデンの家庭用品を置いているお店)や以前はバカンス前には必ず行っていた気がするデカトロン(DECATHLON)(お手頃価格のスポーツ用品店)などもあり、高級食料品店とはちょっとは少々、毛色が違うものの、なかなか楽しいお店でもあります。

 しかし、残念なことに、このイケア(IKEA)に関しては、お店がつぶれるわけではありませんが、マドレーヌの店舗は来年(2024年)には、別の場所(イタリア広場 Place d'Italie)のショッピングセンターに現在のマドレーヌの店舗より広い場所に移転してしまうそうです。

 移転先のプラスイタリーの方が交通機関のアクセスもよく、より多くの顧客を見込める立地であるというのが理由だそうですが、個人的には、あまりイタリア広場に出向く機会がなく、マドレーヌ界隈の方がありがたかったので、とても残念です。

 とはいえ、この界隈の食料品店は楽しいとはいえ、高級すぎて、私が実際に買い物をするのは、たまにチョコレートをちょっとだけ買うか、または、キャビア専門店(KASPIA)で扱っているコルニッション(ピクルス)くらいなもので、大した買い物はしないのですが、何となく豊かな気持ちにしてくれる場所でもあります。


メゾンドショコラ



すごく美味しいキャビア専門店のコルニッション


 KASPIAは、キャビアを専門に扱うお店ではあるのですが、私はキャビアにはあまり興味がなく、ここのコルニッションは他ではあまり見かけることがなく、上品な香りで酸味も穏やかで、しかも、そこまで高くないので、わりとよく買います。

 フォションの跡地は他の店舗に比べて面積も広いので、あの場所であの広さの店舗の家賃といったら、なかなか借り手がつかないのかもしれませんが、それを細切れにして、貸さないところは、この街全体のプライドなのかもしれません。

 来年には引っ越してしまうというイケア(IKEA)もそこそこのスペースがあるため、また次の店舗は何になるのかはちょっと心配でもありますが、逆に考えればちょっと楽しみでもあります。

 先日、金持ち凶弾アクションとかで、ルイヴィトンが攻撃されたりしましたが、今、至るところに店舗が増えている感じのするLVMHグループの店舗で、彼らならすんなりは入れてしまいそうな気もするのですが、ここには、LVMHグループではなく、食料品のお店で埋めてほしいと願っています。


マドレーヌ寺院 高級食料品店


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