5月初旬、リヨンの公立病院(Hospices Civils de Lyon)から、約5,000人の人がHIV、B型肝炎、C型肝炎の検査を受けるように通知を受け取っています。もしも私が、突然、こんな通知を病院から受け取ったら、震え上がるような気がします。
これは、そもそも、昨年の12月に同病院の歯科医療センターでのリヨン第一大学歯学部の学生らの過失が発覚したことによるもので、2023年からされ実施された内部調査の結果、器具の洗浄と滅菌のプロセスに重大な過失が発見されたということで、同病院が警報を発令したことから始まりました。
該当すると考えられる2022年5月から12月にこの病院で受診した患者宛てに、「2022年5月から12月にかけて歯科センターで患者の治療中に使用された「特定の材料」が「滅菌サイクルのプロセスで欠陥を被った可能性があるため、HIV、B型肝炎、C型肝炎の検査を受けてください。これらの検査は無料となります」という旨の手紙が送られたということです。
病院側は、取材先の地元新聞社に対しては、「あくまでも予防原則を適用したもので、感染のリスクは低い」と回答していますが、そもそも、その過失が発生してから、どれだけ時間が経ってしまっているのか?という話。
感染の可能性は低いとしながらも、感染の可能性のある人の枠が半年から1年前に受診した者で、それだけの時間が経過してしまった後の通知となっているのは、どうにもモヤモヤさせられるところであるし、そのうえ、病院側の過失にもかかわらず、検査は無料と恩着せがましい気もしないでもありません。
歯の治療を受けて、半年ないしは、1年後に「HIV、B型肝炎、C型肝炎の検査を受けろなどという手紙を受け取ったら、わけもわからず、動揺するのは必須のことです。
当面のところ、この地域、オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地域保健局はこの事件を取り上げる予定はなく、制裁も予定されていないと回答しています。
この通知が遅れたことは、甚だ納得がいかない感じではありますが、それでも隠蔽されなかっただけ、まだマシなのかもしれません。
また、同じくリヨンの別の病院では、看護師の告発により、病院内の救急外科治療室で大量のトコジラミが発生したことが発見されたにもかかわらず、その間に病室を閉鎖しなければならなくなることを避けるために、経営陣は消毒会社を介入させずに、診療を続けていたことが発覚しています。
こちらは、たかがシラミの発生・・と思わないこともありませんが、場所は病院・・看護師が告発しなければ、放置されたと思うと、ゾッとするところです。告発した看護師は、介護者や患者に対しても、補償がなされていないと激昂していますが、病院の経営陣は、患者がシラミを家に持ち帰るリスクはほとんどないと回答しています。
どうにも、とかく病院に関しては、耳に入ってくるのは、おぞましい話ばかり、問題だから取り上げられるとはいえ、やっぱり、なるべく病院のお世話にはなりたくないと思ってしまうのです。
リヨン公立病院 HIV、B型肝炎、C型肝炎検査
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