2023年5月7日日曜日

チャールズ国王載冠式に熱狂するフランス人 フランス人は英国王室が大好き

  


 毎回、イギリス王室のセレモニーとなると、まるで自分の国の王室のように騒ぎたてるフランス人を、なぜなんだろうか?と思います。ことにエリザベス女王ご逝去の際などには、危篤状態だという一報が入ってからというもの、ほぼ、生中継でイギリス王室のメンバーの動向を追い、それが訃報に変わってからというもの、テレビ局もほぼキー局のメインジャーナリストがロンドンに飛び、その様子を伝えながら、エリザベス女王の軌跡を辿る過去映像などを編集した映像が絶え間なく流され、週刊誌などの表紙は全てエリザベス女王が飾るという熱狂?ぶりでした。

 今回のチャールズ国王の載冠式では、やはり前日あたりから騒ぎだし、もちろん当日は多くの局で生中継、エリザベス女王ご逝去から8ヶ月後、1953年以来の載冠式という歴史的なセレモニーに様々なイギリスの伝統的な載冠式ならではの装飾品やセレモニーの中の一つ一つのアクションについての説明や、沿道に出ている多くのイギリス国民やフランスからわざわざこのチャールズ国王の載冠式のために現地を訪れているフランス人のイギリス王室ファンをつかまえてのインタビューなどが延々と放送されていました。

 もちろん、このためにわざわざ沿道に出ている人々はこの行事に好意的な人ばかりですが、何よりもこのインタビューにあたっているジャーナリストもスタジオでそれを解説しているジャーナリストもイギリス国民以上に興奮している感じなのがうるさいくらいで、なんなら、フランス人の解説は入れずに、そのままBBCの映像を流してくれればいいのに・・と思うくらいでした。

 まあ、これだけ各局が生放送で延々と中継するということは、それだけ視聴率が望めるということなのだと思いますが、ハッキリ言って、フランスでは、エリザベス女王ご逝去までは、残念なプリンス・・などという番組が作られたりするくらいで、あまり人気がなかったチャールズ国王とカミラ王妃の載冠式がここまで熱狂されるものとは思っていませんでした。

 しかし、考えてみれば約1,000年の歴史を持つ世界一有名な王室であるイギリス王室の70年ぶりの新国王の伝統的な儀式といえば、フランスだけでなく世界中が注目するのは当然のことでもあり、また世界各国から2,200人以上の要人が招かれているともなれば、なおさらのことで、これは、おそらく全世界規模でオリンピック以上の視聴率ではないか?などとも言われています。

 没後四半世紀が経った今なお、絶大な人気を誇るダイアナ妃の存在は、彼女が亡くなったのがパリであったことも手伝って、おそらくフランスでは、一段と大きく、人気があり、「イギリスで最も嫌われていたカミラがついに王妃になった・・」と、以前、チャールズと不倫関係にあった過去や生い立ちを細かく辿ったり、ちょっと意地悪な感じの報道も併せて流されていました。

 しかし、ともかくもフランス人がイギリス王室の話題が大好きなのは、それが喜ばしいことであろうとスキャンダルであろうとお構いなしで、まるで自分の国のことのように大騒ぎするのは、やはり、フランスには王室がないことや、歴史を尊ぶフランス人の習性と美しいセレモニーや伝統的な儀式に畏敬の念を持ち続けているからなのかもしれません。

 フランスからはマクロン大統領夫妻が参加していましたが、つい先日、チャールズ国王夫妻の公式フランス訪問を政情不安(デモの悪化)のためにキャンセルしてしまったばかり、少々バツの悪い立場でもあったに違いありません。

 延期されたチャールズ国王の公式フランス訪問は9月に延期されたようです。チャールズ国王の来仏よりも、9月には、フランスのデモもさすがにおさまっているだろうと見込んでいるということだろうということが気になります。

 私は個人的には、あまり王室に興味があるわけでもありませんが、このような華やかなセレモニーを見るにつけ、これがダイアナ妃だったら、どんなに素敵だっただろうか?などと思ってしまう人も少なくないのではないか?と思っています。


チャールズ国王載冠式 フランス人と英国王室


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