フランスでは歴代2代目の女性首相となったエリザべス・ボルヌは、昨年、マクロン大統領が再選されて、組閣した際に任命され、当初は女性の首相が起用されたことで、特に注目を集めてきましたが、ここ最近、ことに年金改革問題が世間を賑わすようになってからは、マクロン大統領とともに支持率がガタ落ちになり、特に問題の憲法49.3条(首相の責任のもとに採決を取らずに法案を通す法律)を発表してからは、矢面になる感じで奮闘しています。
フランスの歴代初の首相、エディット・クレソン(ミッテラン政権時の首相)は、とにかく過激発言が多かった人らしく、彼女の首相就任期間は正味10ヶ月程度という短命の首相であったようです。
エディット・クレソンの反日発言は、なかなかなもので、当時、日本がバブル真っ只中の頃、海外の物件などを買い占める日本人を敵と称し、「日本人は兎小屋のようなアパートに住み、2時間もかけて通勤し、高い物価に耐える蟻のような生活をしている」とか、「日本人は黄色い蟻だ!」とか、「フランスに黄色い蟻はいらない!」などと公式の場で発言し、日本政府から正式な抗議を受けたにもかかわらず、一連の日本への嫌悪発言への謝罪を拒否し続けたという記録が残っているようです。
今の時代なら、あり得ない発言(当時でも充分ありえなかった)ではありますが、彼女の発言は日本に対してだけでなく、アングロサクソン嫌悪発言なども記録に残っており、「ほとんどのイギリス男はホモだ!」などという問題発言もあったりで、彼女の政権は長くは続かなかったようです。
初代の女性首相に比べれば、ボルヌ首相は彼女自身に何の咎があるわけでもないのですが、正直、今回の年金改革問題で、マクロン大統領の影というより表に立って、一番、割を食っているのは彼女かもしれないと思うくらいです。
そんな彼女は、経歴を見ると、大変な苦学生で大変な努力家な上に大変な秀才で、そして野心家でもあるようで、とにかく勤勉でよく働く人のようです。彼女は27歳の時に大学職員であった2歳年下の男性と結婚し、子供が一人いますが、19年の結婚生活の後に離婚、その後、独身ということになってはいますが、彼女には、コンパニオン(パートナー・連れ合い)として、周囲に紹介している男性がいるそうです。
離婚後に別の男性と交際していることは、なんら珍しいことではないし、バリバリに働いていて、あまり女を感じさせることがない(失礼!個人的見解です)彼女もさすがフランス人、ちゃんとパートナーがいるんだ・・などと思っていたのですが、その相手の男性には実は2年前からPACS(事実婚)の届け出が出ているということが物議を醸しています。
実際のところはわかりませんが、要は不倫に近いようなスキャンダルです。まあ不倫自体も珍しい話ではないし、個人的な恋愛問題を非難するような風潮はフランスにはあまりありませんが、彼女があまりに猛烈に仕事に取り組んでいたことが原因だったのかどうかはわかりませんが、彼女には一時、同性愛疑惑も上がったりしたこともあったとかで、彼女は同性愛に関しては全く否定しているし、実際、結婚歴もあり、子供までいるので、これはデマではないかとは思いますが、そのデマをかき消すためのカモフラージュにこのパートナーを利用していたのではないか?という声も上がっています。
年金改革問題でマクロン大統領だけでなく、彼女に対しても国民の矢が向いているのは仕方ない話でもあり、そんな折になんとかアラさがしをしてマスコミがつついている結果、こんな話が出てきているのかもしれません。
まあ、個人的な恋愛問題が首相の立場を揺るがすようなことはないと思いますが、現在62歳の彼女もこんなうわさが出てくるくらい、やっぱり女を捨てていないということなのでしょうか?
女性首相 エリザベス・ボルヌ パートナー
<関連記事>
「フランス人は、女を捨てない! パリのジムでの大らかなパリジェンヌたち」
「離婚率も高いが再婚率も高いフランス 子育て期間も長くなる」
「大統領選挙後のスケジュールとフランス国民が望む女性首相の擁立」
0 コメント:
コメントを投稿