今年のパリはなかなか気温が上がっていかずに、いつまでも肌寒い日が続いていましたが、ようやく太陽が輝き始め、青空が広がり、初夏の訪れを感じさせる季節になってきました。
お天気がよいと、パリを歩くのは本当に楽しくて、アイスクリームの出店が街の中にも増えてきました。
フランス人は、いやいや観光客もアイスクリームが大好きで、暑くなってくるとアイスクリーム屋さんには、行列ができていることが多いです。
アイスクリームといえば、今や、かなり、ジェラートのお店が多くなってきた気がするのですが、そんな中で、パリの老舗中の老舗のアイスクリーム屋さんがサンルイ島にあります。こちらはほんもののフランスのアイスクリームです。
食べ物にも流行のようなものがありますが、やはり古くからある、いわゆる老舗と呼ばれるお店には、長い歴史の中を生き残ってきた伝統と、それなりのクォリティは揺るぎないもので、やはり見過ごせないものがあるのです。
サンルイ島にあるパリ最古のアイスクリーム屋さんの一つといわれる「ベルティヨン(Berthillon)」は、1954年創業で、こんなに有名になった現在も家族経営を貫いているお店です。
貫いているのはアイスクリームの原材料や製法へのこだわりでもあり、季節の果物などのナチュラルな素材のみを使っており、保存料や人工的な香料や甘味料を一切使っていません。
90種類近くあるフレーバーの中から季節によってフレーバーが変わりますが、常時30種類程度のフレーバーが待ち構えていてくれます。
アイスクリームは、牛乳、クリーム、卵、砂糖、果物がベース、シャーベットは、フルーツ(30%~70%)、シロップと実にシンプルで贅沢な材料を使用しています。
店内には、アイスクリーム以外の商品、ジャムやケーキ類、ヌガーなどのお菓子も扱っていますが、お客様の99%はアイスクリーム目当てで、外に長い行列ができていても、お店の奥は意外と空いている・・なんてこともあります。
ほぼ、持ち帰りのお客様が多い中、店内で腰を落ち着けて注文して、テーブル席で食べることもできます。
店内には、かなり大きなサイズの見事なお花が飾ってあり、それと同じお花がテイクアウトのコーナーのカウンターの奥にもあるのが、パリの老舗らしい威厳のようなものを感じさせてくれます。
お値段は、カップに入れてもらっても、コーンに入れてもらっても同額で、1フレーバー3.50ユーロ、2フレーバー6.5ユーロ、3つで8.5ユーロ、4つだと10.5ユーロです。
その他にフレーバーによって+50セント(このお店の名物と言われているワイルドストロベリーとマロングラッセ)なんていうのもあり、また、ホイップクリームのトッピングは60セントなど、若干のバリエーションがあります。
サンルイ島の本店は何とも古めかしい店構えがまた老舗らしい味わいなのですが、実際には、サンルイ島には、「ベルティヨンのアイスクリーム扱ってます!」と看板を掲げているお店がけっこうあり、他のお店でも買うことができます。
また、サンルイ島以外にもイル・ド・フランス内には約100店舗の小売店のネットワーク(おそらくアイスクリームスタンドや、「ベルティヨンのアイスクリームあります」などの他の店舗の間借りのようなものも含めている)があるそうで、そもそも、私もサンジェルマンデプレ界隈でここのアイスクリームスタンドをみかけたことで、この存在を思い出しました。
ベルティヨン本店の近くにある「ベルティヨンのアイスクリームあります」のお店 もともとはお土産屋さん?もう元のお店がよくわからない・・ |
娘もいつだったか、学校の遠足?でノートルダム寺院に行った帰りに、ここのアイスクリームを食べたことがあるとかで、全く、なんとも羨ましい遠足です。
私は今回、マロングラッセのアイスクリームを食べてみましたが、想像どおりのマロングラッセ味・・といったら、身も蓋もありませんが、シンプルな、しかし、かなりしっかりしたマロングラッセの味、マロングラッセのかけらもけっこうたくさん入っていて、食べ応えも満足感もあり、しかし、だからといって甘すぎず、マロングラッセに使われている洋酒の香りがほんのり感じられる後味のよいアイスクリームでした。
また、コーンも独特でほどよい厚みがあり、もちろんサクサクで、固すぎず、柔らかすぎず、大きさ、バランスともに完璧でした。
まあ、難をいえば、暑くなってきたために溶けやすいことくらいで、しかし、溶けそうになるアイスクリームをペロペロしながら(お行儀悪い?)あわてて食べるのもまた楽しいものです。
パリにいらっしゃる機会があれば、パリで一番、フランスで一番とフランス人が誇るアイスクリームを試してみませんか? 正真正銘フランスのアイスクリームです。
🌟Berthillon 31 rue Saint-Louis en l'ile 75004 Paris
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