これまでも、その前段階の周囲の歯の治療や検査も、ロックダウンのために何度となく延期になったりしていたので、今回の手術の延期も「またか!」とは思っていました。
しかし、今回は、もう1ヶ月以上も前に予約を入れていたのに、(それでさえ、途中にワクチン接種の予定などが入ったために、ワクチンをしてから、少なくとも2週間は間隔をおいた方がいいというので、その予定も込みでかなり先にずらして予約を入れた)「なのに、必要なものがまだ届かないなんて、どういうこと??」と、ちょっとムッとしていました。
「1ヶ月以上も猶予があったのに、間に合わないってどういうことよ!」と家でボヤいていたら、あっさり娘に「ママ、それは、フランスだからだよ!」と言われて、イラついていた私も、「そうだった・・ここはフランスなんだった・・私としたことが、こんなことで腹をたてるなんて・・」と反省。
しかし、初めてのインプラントの手術、インプラントをやったことのある友人から少々、話は、聞いていたものの、普通の歯の治療とは、ちょっとレベルが違って、下準備や検査にも散々、時間がかかり、2日前から、抗生物質の薬を飲んで・・などと言われていたので、未知の経験にちょっとナーバスになっていたのでした。
手術の予約をした時点で、いつもの歯の治療とは違って、手術ということで、同意書にサインが必要だったりしたので、余計に身構えていたのです。
抗生物質の薬を飲み始めた翌日に、その歯医者さんから電話が入ったので、「またか?」と一瞬、うんざりしたものの、それは、「手術の予定と薬をちゃんと飲みましたね!手術当日の朝はしっかり朝食をとって来てください」という確認の電話でした。
当日、歯医者さんに行くと、コロナ禍だからか、いつもの歯の治療にも増して、厳戒な衛生体制、手術前の麻酔は別室で、麻酔を打っている間に、手術をする部屋には床にまでシートが敷かれ、頭から履いている靴にまでカバーをするという見たことのない光景に少々、ビビりました。
手術は、いつもの歯医者さん以外にもう一人の医者とアシスタントという3人がかりの体制で始まりました。私の顔には、口だけが開いたシートが貼り付けられ、私には、全く見えない状態で、声だけが聞こえてくるという怖さが軽減されたような、不安が掻き立てられるような奇妙な感じでした。
しかし、麻酔をしているために、手術中はあまり痛みは感じられませんでしたが、後でチェックのために撮られたレントゲン写真を見たら、「うわっ!」と思いました。
抜いた歯の後の部分の歯茎を切って、歯の根っこの部分となるネジのようなビスが埋め込まれ、切った後は糸で縫われているのです。話には聞いてはいたものの、これが私の歯茎に埋め込まれたんだ・・とちょっとギョッとしました。
ついつい身構えて、身を硬くしてしまうところを何度も「力を抜いて!」と言われ続けて、耐え続け、「もう少しで終わるから・・」と言われて、ホッとしたのも束の間、それからがまた長く、結局、手術は、1時間半ほどで終わりました。
「今日は、熱いものは食べないで!運動もしないように!アルコールもだめ!当分の間は、固いものも食べないように!」と言われて、口内消毒液と痛み止めの鎮痛剤の処方箋をもらって、術後のチェックのために3日後に予約を入れて、薬局に寄って、薬をもらって帰って来ました。
家に戻ってしばらくは、麻酔もまだ効いているために痛みもなく、「ようやく、半年以上も待った手術が進んだ・・」とちょっと放心状態でしたが、そのうち麻酔が切れてくると、これは痛い!!痛みというものは、この上なく不快で想像以上に疲れるものだったことを思い出しました。その上、歯だけではなく、頭痛もしてきて、なんだか微熱まで出てきます。
「痛み止めも1日3錠までね!」と言われていたので、そうそう頻繁に飲むわけにも行きません。正直、どちらかといえば、先日受けたコロナウィルスのワクチン接種の副反応の方を恐れていましたが、そちらの方は、ほとんど何もなく、まさかのインプラントの手術で、この痛みと発熱、だるさ・・。
結構な費用がかかるものの、美味しいものを美味しく食べたいという私の食い意地からやることにしたインプラント。しかし、当面の間は、美味しいものどころか、満足なものも食べられないという試練の日がしばらくは、続きそうです。
<関連記事>
「コロナ渦中のフランスの歯医者③ ミューチュエル(国民健康保険でカバーしない分をカバーする保険)乗り換え」
「歯医者で見えるフランスでの優先順位 ここでも出てくるバカンスの優先度」
0 コメント:
コメントを投稿