2021年6月29日火曜日

海外生活でのご近所の騒音トラブル 黙って我慢してたらダメ

   



 ある程度の地域の生活レベルなどで、住居を選ぶことはできても、選べないのが、隣人です。一軒家であれば、かなりプライベートは守られ、余程のことがない限り、騒音に悩まされるということも少ないかもしれません。

 しかし、パリ市内には、一軒家というものは、ほとんどなく、ほとんどがアパートで、旧建、新建に関わらず、上下に隣人があるため、騒音トラブルは少なくありません。

 騒音トラブルが多いだけあって、フランス政府が出しているこんなサイトもあります。(フランス語ですが・・)

ご近所との騒音トラブルについて Service Public France

 ましてやフランス人のこと、大勢が集まって夜通しのパーティーとか、その騒ぎ方も尋常ではない場合もあります。

 我が家はパリに引っ越してきてから、かれこれ20年近く経ちますが、賃貸のアパートゆえ、この20年の間に同じ建物の住民もいつの間にか、ずいぶん入れ替わっています。

 私は、隣人ゆえ、あまり近付き過ぎず、かといって、あまり無愛想なのも何なので、つかず離れずの、顔を合わせれば、少し話をする程度の、ほどほどの関係を保っています。娘と同い年の子供がいるお母さんや、夫と同じ職場の人とかとは、他の人よりは少し余計に話をするぐらい・・そんな感じです。

 フランス人は、親しくなれば、べったりですが、他人にはあまり干渉しないので、こちらがあまり立ち入らなければ、放っておいてくれるので、それはそれで助かります。

 今の住居は、地理的にもわりと便利で、そのわりには静かなところなので、なかなか気に入っているので、できるだけ長く住めるよう、ご近所とはトラブルを起こさないように、それなりに気を使って暮らしています。

 とは言っても、長く暮らしている間には、トラブルも全くなかったわけではなく、上階の住民が家の中の工事が好きらしく、よくもそこまで、いじるところがあるかと思うくらい、頻繁に工事をしていて、まさか夜中に工事をするわけではないのですが、休みの日の昼食時だったりすることが多くて、「またか・・」と、苦虫を噛み潰していました。

 一時、あまりに騒音がひどい上に、上階の家の工事のせいで、何回か続けて、下の階である我が家の電気の回線が壊れたことがあって、何度目かの時には、さすがにブチギレて、上階に駆け上がって、苦情を言いに行ったことがありました。

 その時は、「うちの工事のせいじゃない!」と言い張っていましたが、その後は、そのようなことは無くなりました。

 また、私と娘が日本に行っていて、夫が一人で留守番をしていた時に、上階の人の子供が夜、騒ぐのがうるさいと、最初は、天井を棒で突いて、下から「うるさい!」と怒鳴り、終いには、怒鳴り込んだという話も聞いたことがあります。

 我が家の寝室の天井には、今もその時の傷跡が残っています。

 その時も、「子供を繋いでおくわけにはいかない!」と言い合いになり、夫と上階のご主人とは、ちょっと険悪なムードになったこともありました。

 私たちがいる時には、そんなに気にならない子供がはしゃぎ回る音も、一人寂しく留守番をしていた夫には、必要以上に癇に障ったのではないかと私は思っていますが、それ以来、騒音に悩まされることもありません。

 一応、フランスでは、昼、夜に関わらず、特に22時〜7時までの夜間の騒音については、それなりの手段を踏んで(まずは書留で手紙を本人に送る)、訴えることができることになっています。

 また、極度の騒音などに対しては、通報することもできます。

 そして、騒音被害が認められれば、迷惑行為を犯した人は、罰金を課せられます。とはいえ、そんなことをいちいち警察などの手を借りて、皆が訴えていたら、警察はとても手が足りないのがフランスです。

 まずは自分の否を素直に認めず、謝らないフランス人ではありますが、とりあえず、黙って我慢をすることはありえないことで、往々にして、本人は、どの程度の迷惑をかけているか気がついていない場合も多いので、直接、苦情を言いに行くのが手っ取り早い方法だと思っています。

 直接、話をすれば、その時は、少々気まずくても、隣人とて、四六時中、顔を合わせるわけでもなく、時間が経てば、意外とあっさりとケロッとしていて、それなりに気をつけるようにもなってくれます。

 中には、同じアパート内で誰もが共通に使うエレベーターの中に「騒音について」や、「上からゴミを捨てないでください」「今後も続くようなら通報します!」などという住民の誰かが書いたと思われる苦情が貼られていたりすることもあります。

 我が家は、そんなに広くもないので、それほど大勢の人を家に招くこともないし、そんなに大騒ぎをすることもないので、本当にひっそりと暮らしている方だとは、思っているのですが、私が一番、気を使っているのは、私が時々、気まぐれに弾くピアノです。

 特に防音装置などのない普通のアパートなので、大してうまくもないピアノの音は、聞く人によっては、大変な騒音です。私が育った家庭では、父が幼少期に父の姉(私にとっては叔母)が音大に通っていたために、繰り返し練習していたピアノの音が嫌いになり、私がピアノの練習をしていても、父が家にいる時間は、ピアノを弾かないという決まりだったので、ピアノの音が嫌いな人がこのアパートのどこかにいるかもしれないと、ちょっとした強迫観念があるのです。

 しかし、以前、隣に住んでいたおばさんなどは、その時に隣に遊びに来ていた友人と共にベランダ越しから、私のピアノを聴いて、「ブラボー!!」などと言って、拍手してくれたり、上階の夫と仲の悪いご主人でさえも、エレベーターで会ったりすると、「最近、ピアノの音が聞こえてこないけど、どうして、ピアノ弾かないの? あなたのピアノ好きなのに・・」などと言われたりして拍子抜けしたりもします。

 それでもピアノを弾く時には、食事の時間帯は避けるなど、時間帯には特に気を使い、ましてやロックダウン中などは、みんなが家にいて、閉じ込められてのストレス生活の中なので、さぞかし迷惑ではないかとピアノは、控えていたのです。

 日本人が海外生活をする場合、一般的な日本人の生活習慣から考えれば、迷惑をかけるよりも、迷惑をかけられることの方が多いかもしれませんが、いつどんな形で迷惑をかけてしまっているかもしれないので、ただでさえ、ストレスの多い海外生活、ご近所トラブルは避けたいので、できるだけ気をつけるようにしています。

 しかし、迷惑を被る側になってしまった時も、黙って我慢はせず、まずは恐れずに面と向かって話してみるべきだと思います。「それは私ではない!」とか、「私のせいではない!」などと、その場は言い張りますが、言われた方もそう言い返しながらも、多少は響いています。

 とにかく、はっきりと言わないことには、伝わらないのです。フランスという国は、黙って我慢していることは、ありえない国なのです。

 ほんと、疲れるわ・・。


ご近所トラブル

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3 コメント:

Unknown さんのコメント...

はじめまして。パリのピアノ事情について調べており、たどり着きました。ピアノについて褒めてくださるなんて、いいご近所さんですね。

厚かましいお願いですが、もしよろしければアドバイスいただけないでしょうか。

高度経済成長期、団地の3畳にピアノを置き、子どもが万が一技量に恵まれなくてもエリートや資産家との良縁につながるのでは?と期待していました。しかし、親たち自身はピアノについて知らないという事情もあって、騒音をめぐって母子3人が殺害される事件やトラブルが起きています。

上流家庭のためにピアノを生んだフランスは、階級意識も明確で、一般の人々がピアノを騒音や場所の問題がある集合住宅に置かないと資料で読んだことがあるのですが、高度経済成長期の日本のようにピアノを普段の生活に取り入れたり、子どもたちに習わせているものなのでしょうか。


よろしくお願いいたします。

RIKAママ さんのコメント...

ブログお読みいただき、ありがとうございます。

現在の日本のピアノの普及?具合は、わかりませんが、私の子供の頃は、ピアノを習っている子も結構いて、私の従姉妹たちは全員、ピアノをやっていて、お正月に親族で集まると、みんな、かわるがわるピアノを弾かされた苦い思い出があるくらいです。なので、私程度にピアノを弾ける人は珍しくない気がしていましたが、こちらでは、そうでもないようです。
ロンドンにいた頃も、ホスピスにボランティアでピアノを弾きに行って、あまりにお粗末だったのに、大絶賛されて、恐縮した思い出があります。

娘が小学生の頃、コンセルバトワールに通っている子(ピアノで)が1人だけいましたが、あまりメジャーなお稽古事ではありません。(小学生のお稽古事のトップは、女の子はバレエ、男の子はサッカーか柔道が多いです)
しかし、ピアノに対する好意的でどこか、セレブっぽい憧れやイメージはあるようで、インテリアのようにピアノがあるけど、結局は、弾けない・・そんな人も多いようです。
なので、ご近所の方は、私程度のピアノでも賞賛してくださいます。
娘曰く、ママ程度に弾ければ、フランスではピアニストというんだよ!と言いますが、その辺のニュアンスは、正直、私には、わかりません。

ご質問に対する回答になっているかわかりませんが、私のフランス人のピアノに対するイメージは、そんな感じです。

Unknown さんのコメント...

教えていただきありがとうございます。

>ピアノを習っている子も結構いて、私の従姉妹たちは全員、ピアノをやっていて
そうなんですよね。よほど経済事情が悪かったり、こだわりがないかぎり、習っていたように思います(私は習えませんでしたが)。日本人の同調圧力というものもあったのでしょうか。

>あまりメジャーなお稽古事ではありません。
日本でも習い事が多様化したせいかあまりメジャーとはいえなくなり、英語やプログラミングなど、投資に対する回収がすぐに見込めるものが好まれているようです。子どもに運動をさせるという点でフランスのほうが健全な気がします。

かつてはヨーロッパ生まれのピアノをフランスでは弾かず日本の子どもが弾き、日本でしない柔道をフランスの子どもがしているということですね。大変参考になりました。ありがとうございました。