フランスでの新型コロナウィルスのワクチン接種が始まったのは、昨年の12月のことでした。思っていたよりもずっと早く開発されたワクチンに、当初は、その効用や副作用などにワクチン接種に対して、懐疑的な人も多く、私自身もどのみち、私に順番が回ってくるのは、ずっと先になるだろうし、世界中の人がワクチンをしていく様子を見てから考えようくらいに思っていました。
案の定、高齢者施設の居住者が最優先(それまでに一番被害が大きかったためリスク大と考えられていました)となっていたフランスでは、国民のワクチンに対する半信半疑の思いを反映するように、ワクチン接種に際しての家族の同意書がなかなか取れずに、年明けに蓋を開けてみると、他のヨーロッパ諸国に比べて、フランスは、驚くほどワクチン接種が進んでいないことが明らかになり、フランス政府のワクチン接種拡大キャンペーンには、一気にアクセルがかかり、次々とワクチン接種をすることができる年齢や職業などの条件を広げて行きました。
それでも、まさか、私に順番は、まだまだ回っては来ないとは、思ってはいましたが、年が明けてからも長い間、感染はどんどん広がっているのに、フランスは、あくまでもロックダウンは最終手段としていたので、フランスの感染状況は、悪化の一途を辿るばかりで、世界の国々がワクチン接種を進めていく様子を見ても、これは、もうワクチン接種をするリスクよりも感染するリスクの方がずっと高いだろうと、機会があれば、私もワクチンをしたいと思うようになっていました。
それが、一般の開業医でワクチン接種が可能になった頃、たまたま薬の処方箋をもらいに近所のかかりつけの医者に行った時に、あなたは、心臓疾患があるから、ワクチン接種の権利があるからと言われて、ワクチン接種の申し込みができたのが、2月末のことでした。
その頃は、まだ申し込みをしてから、実際に承認が降りるまでに時間がかかっていたし、ワクチンの供給が全く滞っていたので、1回目のワクチン接種ができたのは、4月の初めのことでした。
何よりも私にとっては、私のこれまでの病歴などを知っていてくれるかかりつけのお医者さんがワクチンを打ってくれるのは、心強いことでした。彼女の方も一度、開けたワクチン(1本で10回分)は、使い切ってしまわなければならないために、ワクチン接種の希望者をある程度、まとめて確保しておくことが必要なようでした。
しかし、最初は、ワクチンがなかなか届かずに、先延ばしになって、結局、私のワクチン接種も予約から1ヶ月以上、待つことになったわけですが、1回目のワクチン接種後も2〜3日、腕が痛かったくらいで、大した副反応も見られず、最低でも数週間は、間隔をあけなければならないという国で定められた期日を待って、昨日、やっと2回目のワクチン接種が完了しました。
もうすでに、現在では、フランスでは、18歳以上の成人は誰でもワクチン接種が可能になっており、予約さえ取れれば、いつでもすぐにワクチンを受けられるようになっています。また、6月15日からは、ティーンエイジャーでさえワクチン接種が受けられます。
2度目のワクチン接種が終わると、その場でコロナウィルスワクチン接種証明書を受け取ることができ、証明書には、QRコードがついていて、フランスの感染者追跡アプリ(TousAntiCovid)に即、ワクチン接種証明書を携帯にダウンロードすることができ、今後、これが、ワクチンパスポートの役割を果たします。
このTousAntiCovidというアプリは、もともとは、感染者追跡アプリとして開発されたもので、1回作り直したりされたものの、あまり利用者がなくて、感染回避対策には、ほとんど役に立ってはいなかったのですが、感染状況などについての最新情報を知ることができる他、現在は、ワクチン接種の証明書をダウンロードできるようになって、おそらく利用者が今後、グッと増えるようになると思われます。
まあ、どちらにしても、せっかく開発されたアプリが利用できて、よかったです。
フランスでのワクチン接種は、基本的にフランスの健康保険システムで使用されている健康保険のカード・カルト・ヴィタル(Carte Vital)のオンラインデータシステムで全て管理されており、このワクチン証明書のダウンロードや情報も全てこのカルト・ヴィタルの情報に記録されています。
まだまだ、この証明書がどのような場面で、実際に活用されるのは、わかりませんが、とりあえずは、これで、なんだかひと仕事終わったかのような気分です。
フランス政府は、今後、数年の間は、少なくとも一年に一度は、ワクチン接種が必要になるだろうと言っていますが、これから先に関しても引き続き、このシステムに記録が積み重なっていくものと思われます。
ワクチンでは100%ウィルスを防げるわけではないので、今後も注意が必要ですが、これで感染するリスクも、他人に感染させてしまうリスクも大幅に減ったわけで、有難いことだと思っています。
我が家は、現在のスタージュの関係(病院併設の研究所勤務のため)で、まだ若いにもかかわらず、私の後にワクチン接種をした娘もワクチンの種類が違って、逆に私よりも早く娘も2回目のワクチン接種が済んでいます。
この2回のワクチンの間隔の差は、どうやらワクチンの種類によるもののようで、フランスでは、ファイザー、モデルナ社のワクチンの2回目投与は、4〜6週間後、アストラゼネカ社のものは、9〜12週間後とされているようです。
現在、フランスでは、全人口の40%程度(成人人口の50%以上)のワクチン接種が完了しており、2回の接種が終わっているのは、まだ20%未満です。
どういうわけか、私も娘もその20%に入れてもらえていることを幸運に思って、フランスに感謝しています。
2回目の接種の方が不調になる人が多いと聞いているのですが、私は、今のところ、何も変化はありません。私も娘も2回のワクチン接種で特に目立った副反応はありませんでした。
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