フランスは、5月31日から18歳以上の全ての成人がワクチン接種が可能になっていましたが、それから半月後の6月15日からは、12歳〜18歳のティーンエイジャーもワクチン接種が可能になることをマクロン大統領が発表しました。
重症化するリスクが低いティーンエイジャーへのワクチン接種に関しては、必要があるかどうかという議論も出ていましたが、結果的には、ティーンエイジャーが感染した場合に、無症状のままに、他の人に感染させるリスクを含んでいることから、まだ時期尚早との声が一部にはありながらも、マクロン大統領は、「これは、真の集団免疫を可能にする次のステップである」とし、ティーンエイジャーのワクチン接種に踏み切りました。
すでに先週末の段階で、欧州医薬品庁は、アメリカの研究所であるファイザーとドイツの企業バイオンテックによって開発されたワクチンのこの年齢層(ティーンエイジャー)への使用にすでに許可を出していました。
それから、わずか数日後のフランスの決定は、かなり迅速なものでした。
このワクチンキャンペーンの新たなステップ開始は、「クラスや大学の閉鎖を回避し、最も弱い人々を保護するための集団免疫運動」の一部である、とオリヴィエ・ヴェラン保健相もこの措置を説明しています。
これまで、感染者が出れば、学級閉鎖になったり、大学の講義がリモートに切り替えられたり、クラスの人数制限をするために、一週間おきの登校になっていたりした状況に孤独感に苛まれ、精神的にも病んでしまう学生が急激に増えていたことなどからも、このティーンエイジャーへのワクチン接種で解消することができます。
ティーンエイジャーへのワクチン接種に関しては、保護者の同意が必要になるため、最初に高齢者施設でワクチン接種に際しての家族の同意書が必要だったことで、当初はワクチン接種がなかなか進まなかった経緯などもありましたが、世界中でワクチン接種の効果が見られ始めている現在では、ワクチンへの懐疑的な見方もかなり薄れてきて、依然としてアンチワクチンの態度を崩さない人も一定数いるとはいえ、以前のように、ワクチンを拒否するという人は少なくなってきているのではないかと思われます。
また、これに加えて、オリヴィエ・ヴェラン保健相は、ワクチン接種キャンペーンを遅らせないことを目的として、数日以内に、ワクチンの2回の投与間隔を延長できる措置を取ることを発表しました。
フランスでは、これまでに(6月2日現在)2,650万人以上が少なくともワクチンの初回接種を受けており、これは、全人口の39.7%、成人人口の50.6%のワクチン接種ができているということになります。
そして、1,140万人以上が2回のワクチン接種を済ませており、これは全人口の17.1%、成人人口の21.8%に当たります。
フランスは、とりあえずのワクチン接種の目標を全人口の60%を目標にしているので、これで、ティーンエイジャーのワクチン接種が学校・大学単位で進んでいけば、さらに一気にワクチン接種が拡大していくことが期待できます。
次から次へと変異種が出現し、いつまでもホッとできない状況が続いてはいますが、フランス人は、夏のバカンスに出る前になんとかワクチン接種をして、安心してバカンスに臨みたいと思う人も多く、ワクチン接種を積極的に受けようとする雰囲気が高まっています。
また、現在は、感染状況は、順調に減少してきていますが、これでワクチン接種が拡大し、さらに感染率も低下して、フランスが安全な国だという認知が広まれば、世界中からの観光客も戻ってきてくれるのではないかと期待しています。
いつもは、どうしてフランスは、こうなんだろう??と思うことも多いのですが、ワクチン接種に関しては、結構、頑張っています。
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