2021年6月17日木曜日

当初の予定を前倒しで、屋外でのマスク義務化と夜間外出禁止の撤廃


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 カステックス首相は、16日、かねてからの予定だった6月30日の「屋外でのマスク着用義務化撤廃」を17日(木)からに前倒しにすること、そして、これまで夜間23時以降は禁止されていた夜間外出禁止に関しても、予定よりも10日早い6月20日(日)に解除することを発表しました。

 フランス政府は、このロックダウン解除の第4段階の日程を前倒しにすることについて、フランス国内の感染状況が予想よりも早いスピードで改善していることを示し、ここ一週間ほどの感染者数の平均が1日あたり3,200人となり、昨年の8月以来、最も低い数値となったことで感染状況が終息に向かっていると判断しているとし、現在、国内で憂慮すべき感染状況悪化が見られる地域はなく、集中治療室の患者数も2,000人を下回り、これまで深刻な状況に置かれていた医療機関が通常モードに戻りつつあるためと説明しています。

 4月末に発表されたロックダウン解除の段階的なカレンダー(予定していた日程)は、現状を踏まえて軌道修正する必要があると述べました。

 屋外でのマスク着用義務に関しては、集会の場、人混み、マルシェ、スタジアムの観覧席等に関しては、マスク着用義務は継続、また、商業施設、公共交通機関、職場等の屋内では、全面的にマスク着用義務が続きます。

 23時以降の夜間外出禁止についても、継続する必要はないと判断。しかし、飲食店やスポーツ施設、文化施設における収容人数制限は継続され、ソーシャルディスタンスを充分に取ることなどの衛生措置は、今後も引き続き必要であるとしています。

 つまり、屋外でのマスク着用義務や夜間外出禁止は、撤廃されても、今後も感染対策を講じられていないパーティー、や集会は禁止されたままではあります。

 しかし、これでフランス国民がさらに解除モードに突入し、浮かれまくる様子が目に浮かぶようで、せっかく感染が減少してきたところに危険因子がまた増加し、不安でもあります。

 ここ数日間、6月というのに30℃超えの暑さが続くフランスで、マスクはかなり厳しいものではありましたが、皮肉にも屋外でのマスク着用義務化が撤廃されるその日から、気温は、一気に下がっていく予報になっています。

 6月は、これからも、フェット・ド・ラ・ミュージック(音楽の日)や、サッカーのヨーロッパリーグの試合日程などが続き、血の気の多いフランス国民が興奮状態になる予定が目白押しです。

 中には、「イギリスを見ろ!早くに感染状態が改善したからといって、早くに色々な規制を解除した結果、感染の悪化が見られて、最終的な規制解除を延期しているではないか! イギリスの二の舞を踏みたいのか!」と不安をあからさまにしている人もいます。

 また、「このマスク着用義務化の撤廃や夜間外出禁止の撤廃の前倒しは、統一地方選挙を目前に控えた国民に迎合する人気取りの政治的な判断だ!」と批判する人もいます。

 たしかに、ロックダウン解除が進むに連れ、マスクをしていない人も増え、「23時以降の夜間外出禁止に何の意味があるのか?」などの声が上がっていたことは事実ではありますが、段階的な解除で予定していたとおりに進めていくことに、それほどの困難があったとも思えません。

 そして、この規制を早めた10日ほどの間にだけでも、どれだけワクチン接種ができて、その分の人が少しでも守られた状況でマスクの義務化や夜間外出禁止の撤廃の日を迎えた方がどれだけ、被害が少なくて済んだか?とも思います。

 イギリスで問題になっているデルタ株(インド変異種)に関しては、現在フランスでは、感染者の4%程度であると言われており、現段階ではさほど問題にはなっていません。しかし、この変異株自体は充分危険なものであり、今後、さらにこの変異株の選別のための措置を強化し、空港や港、国境における出入国時のコントロールを強化するとしています。

 また、これらの緩和の措置は、感染状況が急激に悪化した場合は、必要な規制を再び講じるとしています。

 しかし、規制はどうあれ、人のいない屋外はともかく、個人的には、まだ、到底、マスクを外す気にはなれそうもありません。

 ただ、多くのフランス国民は、これでさらに日常モードに近づき、これまでの鬱憤も合間って、一気にハメを外すのは、目に見えています。

 お祭り気分に拍車がかかり、フランスでは、「日本でのオリンピックなんて、全然、OKじゃん!」という流れになるかもしれません。


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