2021年6月5日土曜日

今年の夏のフランスへの観光客受け入れに対する国ごとの対応 6月9日から開始

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 フランス政府は、今年の夏に向けての観光客の受け入れを国別に色分けして、それぞれの国の感染状況に応じて、フランスへの入国条件を明確に提示し、観光客の受け入れ体勢を整え、それぞれに対応する準備を開始しました。

 世界地図をグリーン・オレンジ・レッドの3色に分布し、それぞれの国別の入国受け入れ条件を具体的に示しています。


・グリーンゾーンの国 

「ウィルスの活発な循環も、懸念される変異株も存在しない国」とみなされている国で、日本はこのグリーンゾーンに入っています。このグリーンゾーンからの観光客は、ワクチン接種が済んでいる人に関しては、フランスを自由に旅行することができます。

 また、ワクチン未接種の場合は、搭乗時に、72 時間以内に遡って陰性の PCR または抗原検査の陰性結果を提示する必要がありますが、その後は自由にフランス国内を旅行することができます。

 このグリーンゾーンに指定されているのは、日本の他、ヨーロッパ、オーストラリア、韓国、イスラエル、日本、レバノン、ニュージーランド、シンガポールです。


・オレンジゾーンの国

「ウイルスの流行がまだ存在しているが、制御下にあり、懸念される変異株がない国」

 ワクチン接種を受けている場合でも、搭乗時に、72 時間以内(抗原検査の場合は 48 時間)に遡って陰性の PCR 検査を提出する必要があります。

 ワクチン接種を受けていない場合は、搭乗時に、72 時間以内 (抗原検査の場合は 48 時間) に遡って陰性 PCR 検査の陰性結果を提示する必要があります。

 また、到着時、抗原検査がランダムに実施され(ランダムというところが疑問ですが・・)、フランス入国後、7日間の自己隔離が必要になります。

 地図を見てもわかるとおり、現在のところ、アメリカ・カナダ・マグレブ諸国を含む、このオレンジゾーンが大部分を占めています。


・レッドゾーンの国

「ウイルスが活発に循環しており、亜種の存在が懸念されている国」

 南アフリカ、アルゼンチン、バーレーン、バングラデシュ、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタリカ、インド、ネパール、パキスタン、スリランカ、スリナム、トルコ、ウルグアイなどがこのレッドゾーンに指定されています。

 これらの国からの観光目的の入国は基本的に禁止されています。

 このレッドゾーンに関しては、フランス人に向けても、「この地域には、旅行しないことを推奨しますが、ワクチン接種を受けた人は、観光目的ではなく、やむを得ない理由でのみ旅行できます。」としています。

 これらの国から帰国する場合は、48 時間以内の PCR 検査または抗原検査を提示する必要があります。警察の管理の下、フランス本土に到着すると、10 日間の検疫が課されます。これらの国々に行って帰国した場合は、警察による管理下による監視下に置かれるという点でも、一層、厳しさが感じられます。

 この国ごとによる色分けの観光客受け入れは、6月9日から開始されます。

 しかし、現在、特にインド変異種の拡大が懸念されているイギリスに関しては、オレンジゾーンではありながら、この強制検疫は 7 日間続き、「英国からフランスに入国する非居住外国人に対して」やむを得ない理由が引き続き要求されています。 

 また、イギリスからフランスに来る人には48時間のPCR検査または抗原検査も実施されます。

 私は、まだ、フランス国内でさえ、旅行はしておらず、パリの街を歩く程度ではありますが、感染が減少してきて、日常が戻り始めたことを喜ばしく思いながらも、やはり、あちこちで気付くのは、フランス(特にパリ)は、観光客による収入に多くを依存している国(街)で、いくら、ロックダウンが解除しても、観光客なしには、立ち行かないままである場面にいくつも遭遇するのです。

 しかし、だからといって、感染減少のために、ロックダウンをしたりしてきた努力を無にするわけにはいかず、少しでも安心できる状況で、段階的に観光客を受け入れていく準備を始めたのです。

 だからと言って、例えば、私が今、日本に行こうと思っても、ワクチン接種が済んだとしても、日本側が指定している2週間の強制隔離期間を逃れることはできないわけで、それを考えれば、やはり日本へ行くことは躊躇われます。

 しかし、今回のフランスの観光客受け入れのために、国別の条件を明示したことは、フランスに旅行しようと思い、検討するに際しては、必要な情報であり、とても賢明な措置であると思います。

 日本は、単なるコロナウィルス感染問題だけでなく、オリンピック問題が余計に事を複雑にしていますが、このフランス政府が提示した地図を見ても、多くの国がまだ、危険な国だと警戒されている状況です。

 こんな状況で、東京オリンピックをやることは、正直、私には、理解できませんが、それでもなお、オリンピックを強行するのであれば、オリンピック選手団・関係者の入国に関しても、このような国別の対応を検討しても良いのではないか?と思うのです。


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