日本は、既に、かなりの数の国からの外国人の入国について、「特段の事情がない限り」アジア、北米、中南米、欧州、中東、アフリカなどの約160カ国の国からの上陸を拒否することとしています。
この「特段の事情がない限り」という特段の事情についてのくくりはよくわかりませんが、この上陸拒否対象国をざっと見ても、フランスはもちろんのこと、ほとんどの国からの上陸(少なくとも観光客など)は、できないことになっているようです。
しかし、アジア(中国や韓国、シンガポールなどは入っていない)は比較的少なく、全く、外国人をシャットアウトしているわけでもないようです。
日本人の入国でさえも、3日間の強制隔離やその後14日間の自主隔離等を考えても、日本への入国は、かなりハードルが高く、移動中のリスクを考えても、そうそう簡単に行けるものでもありません。
ところが、ここへきて、アメリカ国務省が新型コロナウィルス感染が新たに広がっていることを理由に、日本への渡航警戒レベルを最大級の「レベル4」に引き上げ、日本への「渡航中止」を勧告しました。
コロナウィルスに関連するリスクをより適切に、また効果的に公表するために、アメリカ国務省に加えて、米国疾病予防管理センター(CDC)からも、「日本の現在の状況を踏まえると、ワクチン接種を受けた人であっても新型コロナ変異株に感染し、感染を広げるリスクがあるため、日本への全ての渡航を控える必要がある」という警告をほぼ同時に発表し、足並みを揃えています。
このアメリカ国務省指定の「レベル4」は、スリランカと同レベルの警告です。
これまで、日本から、「来ないでください」としていた海外からの入国制限だけでなく、海外からも、「日本へは行かないでください」が加わってしまったことは、かなりショッキングなことです。
アメリカ国務省は、7月23日に開幕が迫っている東京オリンピックについての言及はしておらず、この決定がオリンピック大会の準備とアメリカの代表団の参加に影響を与える可能性があるかどうかは触れていません。
アメリカ国務省のこの発表は、フランスの一部のマスコミでも取り上げており、在日アメリカ大使館のウェブサイトでは、「アメリカ人が日本に入国できる可能性は、現在、非常に限られている。観光やその他の短期的な理由で旅行することは許可されておらず、これがすぐに変わる予定はありません。ビザなしの旅行は中断される。また、これらの措置は、ワクチン接種を受けた人に対しても受けていない人に対しても区別はしていません。」と記されていることを伝えています。
加えて、フランスの報道では、「国民はオリンピック大会の開催に強く反対しているが、主催者は、非常に厳格なウィルス対策と海外からの観客の禁止で「完全に安全に」開催することを可能にすることを繰り返し言い続けている」と付け加えています。
しかし、アメリカ国務省が日本を「警戒レベル4」にしたということは、かなりショッキングなことで、日本に住んでいないとはいえ、日本人としては、「日本に来ないでください」と日本が言っているのと、外から「日本へは行かないでください」と言われるのとは、また違うレベルのことで、そこまで海外からも日本の状態を危険視されているということが、とてもショックだったのです。
ただ、アメリカ国務省の判断基準はわかりませんが、日本の感染状況はもちろんのことですが、ワクチン接種の浸透具合と今後、オリンピックに関わる入国者の増加を鑑みての上での日本の危険性ということなのだろうか?とは思います。
たしかに必死になってワクチンを拡大している国にとって、ワクチンは完璧な防御ともいえず、ワクチンが拡大していない状態の国、さらに多くの人が集まることがわかっている国は、恐怖でもあり、危険国として判断されるのも致し方ないのかもしれません。
いずれにしても、ウィルスというかたちではありますが、「世界で最も安全な国・日本」の神話が崩壊し始めていることを感じずにはいられません。
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