もの凄いスピードで、すっかり、日常モードにシフトしつつあるフランスは、ちょっと、パリの街を歩いてみても、この一年間以上の何回かのロックダウンの間に変わってしまった場所、変わらない街並みの中に、テラス席のみのレストラン・カフェの営業のために、おしゃれにテラスをアレンジしている新しい風景が生まれて、パリの街を歩く新しい楽しみができました。
とはいえ、久々になかなかな人数の人の動きの多さを目の当たりにしてちょっとギョッとしてしまう部分もあって、平日の日中でも結構な人で埋まっているメトロやバスなどにも、「そりゃそうだよね・・私だって、こうして動いているんだから・・」と思いつつも、まだ、数日しか経っていないのに、あっという間にメトロも街も汚れて、ゴミも増えていく様子に驚いてもいます。
それでも、これまでは、なりを潜めていた新しい映画や美術館の催し物の駅の広告などを見ては、そういえば、こんな広告もこれまでなかったもんな・・などと、ちょっと嬉しかったりもす。
しかし、浮かれてばかりは言えない感染際拡大の危険は、まだまだいつも隣り合わせの状況、少しでも気を抜けば、また逆戻りになりかねません。ここのところ、雨が多く、天気がいまひとつ冴えないことも残念ではありますが、反面、ちょっとその天候の悪さに救われるような気がしてしまう部分もあります。
そんな喜びと不安を抱えたフランスに不気味なニュースが浮上しています。
ボルドーの北部バカラン地区でこれまでほとんど検出されていなかった新しい変異種が発見され、46人のクラスターが発生していることが、フランス保健当局(Santé Publique France (SPF)から発表されたのです。
VOC 20I / 484Qと呼ばれるこの新しい変異株は、イギリス変異株がさらに変異したものであると考えられており、ウィルスの伝染性を促進することが疑われるため、現在、スクリーニングを強化し、このクラスターが発生したボルドーのバカラン地区に特に的を絞ったPCR検査とワクチン接種拡大を強化することを決定しています。
具体的には、この地区に向けて、新たに15,000のワクチン供給が追加され、この地域では、5月31日を待たずして、18歳以上の全ての成人がワクチン接種ができるようになっています。こんなところは、素早いです!(フランス全土では、5月31日から全ての18歳以上の成人がワクチン接種が可能になります。)
現在のところは、この新しい変異種に感染し、陽性と判断されている人々の中には、入院が必要なほどの深刻な症状に陥っている人はおらず、感染者も若者だけに限られていることから、ワクチン接種を済ませている高齢者は、ワクチンによって、この新しい変異種から守られているのではないかとも言われています。
そもそも、新しい変異種に関するスクリーニングが充分に行われていない状況で、この変異種がどれほど、拡大しているのかは、未だ定かではない状況に、(本当は、他の地域にも広まっているのかもしれない)まだ未知の事が多く、この変異種究明が開始されたばかりではありますが、また新たな変異種の出現は、充分に警戒する必要があります。
ましてや、タイミング的にワクチン接種の拡大以上にロックダウン解除で、一気に人の流れが急増しているタイミング、少しの油断も許されません。この新しい変異種の危険性がどの程度か確認することと同時に、とにかく感染をストップさせることが何より最優先されることでもあります。
しかし、医療専門家は、今回の新しい変異株について、現時点では、ファイザー及びモデルな製のmRNAワクチンへの耐性や、さらに重症化するリスクを示す根拠はないとしています。
モグラ叩きのように出てくる新しい変異種の出現に、既存のウィルスとともに、何とか回避し続ける道は取り続けなければならない状態であるのと同時に、とりあえずワクチン接種の拡大を進める以外に私たちができることはありません。
進化を続けるウィルスと人間の戦いはまだまだ終わりません。
<関連記事>
「5月31日から全ての成人がワクチン接種が可能になるフランスの事情」
「フランスが恐れるイギリス・南アフリカ・ブラジル変異種の拡大」
「フランス・「新型コロナウィルス変異株流行国・地域」に指定」
0 コメント:
コメントを投稿