2021年1月14日木曜日

世界中が警戒しているイギリス変異種   

  


 

 昨年の12月に入った頃からの感染拡大にヨーロッパの多くの国は、非常に警戒し、ロックダウンを始めとした非常に厳しい制限をとっている国が多いのです。12月の段階では、まさかのドイツまでもが感染状況が深刻化し、学校閉鎖や店舗の閉鎖など、クリスマス前にも関わらず、かなり厳しい体制をとってきました。

 その後、イギリスで変異種が検出され、変異種の感染力の速さ、強力さが発表され、実際にイギリスの感染状況も日に日に新規感染者数、重症化するケースの多さ、死亡者数などは、記録を更新し続け、一ヶ月間に4倍以上も膨れ上がってしまったイギリスの医療崩壊の様子がフランスでも毎日のように報道されています。

 フランスでは、2度目の感染拡大のピークを昨年10月に驚異的な数字を記録して以来、10月末からの約1ヶ月間のロックダウンにより、1日の新規感染者数が6万人から1万人近くまでに減少したこともあり、(他のヨーロッパ諸国とは、感染の波の時期がずれている)、充分に危険な状況にも関わらず、どこか余裕で、他国の厳しい制限について語っている奇妙な状況が続いています。

 とはいえ、フランスの12月初旬からのロックダウンの緩和以来、1万人近くまで減少した1日の感染者数は、現在は、2万人を超えています。フランスの感染者の増加は、比較的緩やかではあるものの、結果的に数字から見れば、1カ月間で倍以上に膨れ上がっているのです。

 現在、多くの国が警戒しているのは、元来のコロナウィルス感染はもちろんのこと、イギリスの変異種の威力に警戒している状況が見て取れます。

 イギリスからの入国禁止は、もちろんのこと、イギリスの変異種の特徴の一つである子供の感染率の高さから、イギリスはもちろんのこと、デンマーク、オーストリアー、ドイツ、オランダなどの国は、学校を閉鎖しています。

 フランスでは、あくまで学校閉鎖に踏み切るのは、最終段階としており、現在の制限は、夜間外出禁止、レストラン、映画館、劇場、スポーツジム等の営業停止で感染の悪化している25カ所の地域に関しては、夜間外出禁止が20時から、18時に前倒しになる程度で、他国のようなより厳しい制限には至っていません。

 しかし、フランスの状況は、ある程度、緩やかな上昇とはいえ、確実に悪化していることに変わりはなく、今後、フランス全土で夜間外出禁止が18時になるとか、週末だけロックダウンになるとか、色々、噂が飛び交っています。

 現在、公になっている変異種といえば、イギリスでの危機的状況から、圧倒的にイギリスの変異種が注目されていますが、フランスで変異種についての話題になれば、南アフリカの変異種に加えて、最近は日本の変異種も必ず話題に上がります。

 日本での変異種の検出は、ブラジルからの旅行者から検出されたとのことなので、その変異種を確認し、WHOなどに日本が報告したことから、日本変異種という呼ばれ方をしてしまっていますが、その日本変異種については、世界が注目しているにも関わらず、日本では、大々的には、報道されていない(騒がれていない)ことが、なんだか少し妙な気もします。

 しかし、後に、日本変異種については、イギリス変異種、南アフリカ変異種、ブラジル変異種にかき消されつつあります。

 いずれにせよ、感染拡大の波を10月という他のヨーロッパ諸国とはずれた時期に一度迎えてロックダウンし、一度は、波の高さを抑えたことから、現在のフランスでは、他のヨーロッパ諸国とは一線を画し、どこか余裕の対応を続けていることが、今後、かえって悲惨な状況を生むのではないかと心配しています。

 もともとフランスは、愛国心からか?根拠のないことに関しても、どこか他国を下に見る傾向があり、そんな感じが現在のコロナウィルス対応に現れているような気がします。

 今のフランスは、とても、そんな余裕をこいている場合じゃないんですけどね・・。


<関連>

「他国の感染悪化を余裕で語るフランスに唖然とする」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/12/blog-post_14.html

 

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