2020年12月3日木曜日

パリは観光地だったんだ・・ お店は開いてもお客はいない

 

お店は開いているものの、ガランとしたヴァンドーム広場の店舗


 寒くなってきて、お天気も今ひとつだけど、パリの中心部に用事があったので、週末から来週にかけては、さらに天気が悪い模様・・やっぱり、今日、行くしかないな・・ノエルのデコレーションもちょっと楽しみだし、たまには、パリの街を歩こうと出かけてきました。

 ところが、もはや12月に入って、準備が遅れている?というわけでもなかろうに、どうにも今年のパリのデコレーションは控えめです。

 いつも通る、ノエルでなくても、きれいにデコレーションされているようなところでさえ、さっぱりなのには、少々ガッカリ・・今年は、自粛ムード?それとも、経費節減なのでしょうか? 

 ガッカリしてから、自分が、実は、デコレーションを結構、楽しみにしていたことに気がつきました。

 用事を済ませて、ノエルのデコレーションなら、ヴァンドーム広場のデコレーションが洗練されていて、毎年、きれいだから、ヴァンドーム広場を通ってみようとオペラ通りから、ルー・ド・ラペを通って、ヴァンドーム広場へ歩いて行きました。

 オペラ通りは、ずーっと前から、通りの商店街?の店舗のオーナーの集まりの方針で(要はケチ)、オペラ通りとして統一されたノエルのデコレーションはなく、有名な通りながら、ノエルは比較的、地味なのですが、それにも増して、このコロナの経済危機の煽りを受けてか、潰れてしまっているお店もチラホラ・・実際に、「閉店のお知らせ・長い間、ありがとうございました・・」などの張り紙がしてあるのを見ると、ずっしりとこのコロナの経済危機を目の当たりにさせられます。

 オペラ通りから、ヴァンドーム広場に抜ける道すがらは、高級な店舗が多く、きれいにショーウィンドウを飾っているので、飾られている洋服などを眺めながら、久しぶりにウィンドーショッピングを楽しみました。

 お店で買い物はしなくても、贅沢な雰囲気の空間に浸るだけでも心地よいのです。おしゃれな人も多く、お店だけでなく、通りを歩く人を見ているだけでも楽しいのです。パリは街の景観を大切にしている街ですが、街の景観を壊すような身なりの人もこの界隈には見当たりません。

        

なにげに写真を撮っても、景色を邪魔する人はいない


 歩きながら、ふと、お店は開いているものの、(飲食店は開いていませんが・・)お客さんがあまりいないことに気がつきました。まあ、平日の昼間だし、そんなに買い物する人もいないか?・・と一瞬、思いかけて、いやいや、いつもは、平日の昼間だろうと何だろうとお客さんはいたな・・と、日常の通りの様子を思い出したのです。

 考えてみれば、そのあたりの高級な店舗のお客さんの多くは、観光客だったのです。それでも、今は、ノエル前でケチなフランス人がバカンスの次に散財する季節です。なので、お客さんが皆無とは言えませんが、高級店舗になればなるほど、お客さんは、観光客なのです。

 「そうだ!パリは観光地だったんだ・・」そんな妙なことを思いながら、ヴァンドーム広場へ着くと、それぞれのお店の前には、統一されたクリスマスツリーが並んでいるものの、いつものようなキラキラした広場全体を包むデコレーションはありません。

 ヴァンドーム広場は広くゆったりとしているので、日頃から、人がいっぱいになることはありませんが、宝飾品をはじめとする、パリでもより抜きの超高級店舗、ショパール、カルティエ、シャネル、ディオール、ルイ・ヴィトンなど、高級ブランド店ばかりのこの場所は、お客さんが少ないどころか、店舗の中にいるのは、退屈そうな店員のみ・・。

 これでは、ノエルのデコレーションどころではありません。

 この近辺は、高級なホテルも沢山ある地域ですが、ホテルも軒並みほぼ休業状態、この機を利用して改装中のところもチラホラ・・。

 夏の数ヶ月を除いては、今年は、ほぼほぼ観光客のいないパリ、こんな状態がいつまでも続けられるはずはありません。

 パリに観光客がいないという厳しい現実をあらためて思い知った久しぶりのパリ散歩でした。


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