2020年12月24日木曜日

コロナウィルス変異種感染拡大によるイギリスからの入国制限が引き起こした混乱

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 イギリスのボリス・ジョンソン首相がコロナウィルス変異種が検出され、この変異種のために感染が急激に悪化していることから、ロンドン、イギリス南東部を再ロックダウンすることを発表して以来、この変異種がこれまでのコロナウィルスよりも70%も感染率が高いとの報告を受け、即刻、翌日には、イギリスからの入国を禁止したフランス。

 イギリスで感染拡大しているこの変異種のフランスへの感染を恐れて緊急措置としては、致し方なかったとはいえ、あまりに急な国境閉鎖に3日以上経った現在も、1400台以上のトラックが国境付近で足止めを食っています。

 フランスは、48時間後に72時間以内のコロナウィルス検査で陰性であった人については、入国を許可する方針を発表しました。

 しかし、ロンドンとフランスを結ぶ主要港であるドーバーを結ぶ高速道路では600台以上のトラックがブロックされており、他の800台は国を出るのを待っている間近くの空港に駐車されています。

 充分な情報も食料もないまま、ひたすら待機せざるを得ないトラックの運転手たちの間で、緊張状態が高まっています。この寒い季節に突然、足止めを食って、満足な食べ物もないままに何日も夜を過ごすことになれば、混乱状態に陥るのは当然のことです。

 ましてやコロナウィルスが蔓延している中でのこの状態、現在、600台のトラックは、道路から、パーキングに移動しているものの、この混乱した待機状態の中で、クラスターが発生することも充分考えられることです。

 昨日になり、この待機中の人々に対しての検査が開始されましたが、その検査にも数日を要するのは必須です。ノエルを家族と過ごすことを切望していた人々は、家族と過ごすどころか、こんなパーキングでトラックの中で過ごすとは、あまりに悲惨なことです。

 また、イギリスからの輸送がストップされ、部品不足のために、トヨタのバレンシエンヌ工場は数日間閉鎖になるという物流の閉鎖が多方面に影響を及ぼしています。  

 そして、イギリス在住のフランス人に対しても、ノエルのためのフランス入国に際しては、検査で陰性を証明する必要が課され、検査が無料のフランスと違って、イギリスでは検査に250ユーロ近くかかる上、検査も混雑を極め、ノエルの帰国を断念せざるを得ない人もいるようです。

 このためにロンドンからパリへのユーロスターは、IDカードのチェックの前にコロナの陰性の証明書のチェックが行われ、通常ならばこの時期、満席状態のところ、乗車率は50%ほどになっています。

 この急な、イギリスからの入国制限に対して、特にトラックで寒空の中、数日間待機を余儀なくされている人たちに対しては、あまりに非人道的な扱いであると問題視され、さっそくに突然、発表したボリス首相が悪い! 急にブロックしたフランス政府が悪い! と、やり場のない怒りをどこかにぶつけようとしています。

 いずれにしても、戦うべきはウィルス。

 ワクチン完成、投与開始にわかに期待を持ち始めたところにこのコロナウィルス変異種の感染拡大。

 ワクチンが広まるのは、春以降と言われている今、この冬は、まだまだ厳しい状況が続くことに警告を鳴らされている状況です。

 イギリスでは、この変異種に続き、それとは、別の変異種が南アフリカからの渡航者から検出されていると発表しています。

 もうエンドレスだ・・。


<関連>

「ヨーロッパを再び襲い始めたコロナウィルス感染 イギリス再ロックダウンの波紋」

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