2020年12月19日土曜日

ノエルのバカンスに突入したフランス 夜間外出禁止が裏目に出ている

                                             Vous pouvez programmer vos voyages en train en toute tranquillité jusqu'à la fin de l'année.


 いよいよノエルへのカウントダウンが始まり、学校もノエルのバカンスに入りました。ずっと続いてきた土曜日のデモもバカンス突入と同時にお休みに入るようで、久しぶりに土曜日のデモの予定が出ていません。こんなところは、フランス人のちゃっかりしたところです。

 デモと言えども、バカンス中はお休みなのです。

 今週末からノエルにかけてSNCF(フランス国鉄)は75万人の乗客が、空港では1日5万人の利用客が見込まれています。高速道路は200㎞の渋滞です。

 昨年のノエルの期間のSNCFの利用客は、85万人だったそうで、それでも10万人は移動を控えていることになりますが、今のフランスの状況で昨年比11%減のみというのは、どれだけ、歯止めが効かないのかがわかる気がします。

 このノエルを迎える時期に向けて、フランス政府は、一層、PCR検査を強化し、家族の集まりの前には、PCR検査を受けてから参加するように呼びかけています。

 しかし、ワクチンならばともかく、PCR検査でたとえ陰性であったとしても、すぐに次の瞬間には、感染している危険があるわけで、検査を受けたからといって、安心できるわけではありません。

 ロックダウンが解除になった街中は、レストラン・カフェなどが営業していないことを除けば、ノエルの準備のための買い物と見られる人が日々、増え、プレゼント用の買い物と見られる紙袋を下げた人がいっぱいで、食料品を扱うスーパーマーケットなども、なかなかの人混みになっています。

 倹約家のフランス人がお金を使うのは、バカンスとノエルです。この時期、危険ながらもロックダウンを解除すれば、少なからず、経済が回っているのは、街行く人の買い物の様子を見れば、一目瞭然です。

 マスクの仕方が雑になっているのも気になるところで、一応、マスクをしてはいるのですが、鼻と口からずらしたまま忘れているのか、顎マスクになっている人も少なくなく、中には、若い子たちが集団で騒ぎながら、メトロにマスクなしで乗ってきたり・・気が緩んでいる感じがありありです。

 コマーシャルセンターなどの入り口や街中、所々に設置されたアルコールジェルのマシーンも肝心のアルコールジェルが入っていなかったりすることに遭遇することが増えてきました。

 ノエルの家族での会食に際して、どうやって感染を回避したらいいか?ということをテレビでは、ひっきりなしに語っていますが、実際のところは、やはり国民の感染回避に対する意識は低いと思わざるを得ないことが多いのです。

 その一つは、ノエル前にも関わらず、そして夜間外出禁止令が裏目に出て、家でのパーティーが増えています。これは、充分に想像していたことですが、想像以上です。

 気軽に、何のためらいもなく、「家でアペロしない?」などという誘いがフランス人の、特に若い人の間で行き交っています。

 レストランやバーなどは、営業しておらず、夜間外出禁止さえ守ればいいだろと言わんばかり。そこそこの時間に帰ることもできずに、逆にアペロが夜通し続くことになります。これは、最悪です。

 この一年のほとんどを、ロックダウン、ロックダウン解除を繰り返してきたフランス人がこれまでの鬱憤をノエルで一気に爆発させることは間違いありません。これまで頑張ってきたのだから、ノエルくらいは良いだろうと思うのもわからないではありませんが、このノエルがこの一年で一番危険なシチュエーションであることは言うまでもありません。

 室内、会食、気温の低下と久しぶりの家族との再開という気の緩み。感染悪化の全ての条件が揃っています。

 フランスの新規感染者数は、先々週は、1日平均1万1千人であったところが、先週は、すでに1万3千人に増加しています。

 オーストリアでは、すでにノエル後には、再度、厳格なロックダウンに入ることを今から発表しています。フランスは、発表するまでもなく、限りなくその可能性が高いのですが、今からノエル後のロックダウンを発表などしたら、ノエルでのハメの外し方がさらに加速するかもしれません。

 どちらにしても、これから年末年始、そして1月・2月とさらに気温も下り、本格的な冬に突入して、ウィルスがさらに活発になります。

 どう考えても、フランスの第3波は、もうすぐそこまで来ています。


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「フランス人の金銭感覚 フランス人は、何にお金を使うのか?」

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