2020年12月22日火曜日

イギリスからの入国禁止に踏み切るフランス コロナウィルス変異種警戒

 

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 フランス政府は20日、英国での新型コロナウイルス変異種による感染急拡大を受け、21日午前0時から48時間、英国からの入国を全て停止すると決定しました。ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、オーストリアなども同様の措置を取ることを発表しています。

 今後、欧州連合(EU)で共通の対応を検討していくことになっています。

 イギリスは、日曜日から、ロンドン、イギリス南東部をロックダウンしていますが、このロックダウンは、国内だけでなく、結果として、他のヨーロッパ諸国からのロックダウン状態に発展しています。

 このイギリスからの入国制限は、旅客、貨物双方、また、陸上、航空、海上、鉄道にわたり、全てに渡る制限で、人だけでなく、物流さえも滞る深刻な事態を引き起こしています。とりあえず、48時間の制限とはいえ、この変異種の出現をどれだけ、深刻に考えているのかがわかります。

 とはいえ、急な決定により、まさにイギリスから商品を輸送中だったトラックは、突如、高速道路で足止めを食い、道路の側道で40㎞にわたる待機状態、特に食料品などを輸送中だったトラックは、壊滅的な損害になります。

 2021年には、ブレグジット(Brexit)で、欧州離脱が決まっていたイギリスは、このコロナウィルス変異種による感染急拡大により、妙な形で、欧州からの離脱に突入しています。

 イギリス政府による発表によれば、この変異種はこれまでのコロナウィルスよりも70%伝染性が高く、致死率も高いと言われていることから、まだ、正体のはっきりしないこのウィルスの恐怖がイギリスを孤立させる状況を生んでいるのです。

 ヨーロッパ各国のイギリス・シャットダウンの対応は、この変異種をどれだけ脅威に感じているかということを物語っています。

 イギリスでは、さっそく、今回のロックダウンの措置に反対する人々は街中で警察と衝突する騒動に発展しています。

 この変異種は、コロナウイルスの「スパイク」のタンパク質に、N501Yと呼ばれる変異を持っています。これは、ウィルスの表面にあり、人間の細胞に付着して浸透することができます。

 ウイルスは変異(遺伝子配列のわずかな変化)するものであり、多かれ少なかれ頻繁に定期的に発生します。インフルエンザを引き起こすインフルエンザウイルスは、たとえばコロナウイルスよりもはるかに頻繁に変異することが知られています。しかし、それはすべての突然変異がウイルスの働きや人体で引き起こされる可能性のある症状を変えるという意味ではありません。

 ワクチンはある程度のウィルスが変化することを想定して作られているものですが、今のところ、この変異種に対して、ようやく開発されたワクチンの有効性を低下させるものではないとしています。しかし、それは、まだ証明されてはいません。事によっては、ワクチンの再開発が必要になり、また振り出しに戻るような事態にもなりかねません。

 フランスとイギリスは、ユーロスターで簡単に移動できることもあり、行き来する人も多く、ロンドンでも場所によっては、「えっ?ここフランス?」と思うような場所もあり、また、その逆に、パリなのに、「えっ?ここイギリス?」と思うような場所もあります。

 イギリスに広がり始めた新異種は、もうすでにフランスでも広がり始めている可能性も大きいのです。

 そんな非常に警戒すべき状態にありながら、パリのギャラリーラファイエットなどは、ノエルのデコレーションのショーウィンドーの前には、大変な人だかりができています。

 イギリスからの入国禁止だけでは、足りない状況なのです。

 今日、久しぶりにいつも服用している薬の処方箋をもらいに、お医者さんに行って、「第3波は、来ますか?」と聞いてみたら、何の迷いもなく、「もちろん来るわよ!ノエルで人が集まって、感染が拡大しないわけはないもの・・」と、言われました。

 当然、わかっていることながら、今さらながら、あまりにもあっさりと答えられて、私は、返す言葉がありませんでした。


<関連>

「フランスのコロナウィルスワクチン接種」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/12/blog-post_9.html

「ヨーロッパ各国のコロナウィルス感染拡大への対応強化」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/07/blog-post_29.html

 




 

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