11月6日には、一日の新規感染者数が6万人を突破したフランスは、その後、ロックダウンの効果が比較的順調に現れ、11月末には、1万人前後にまで減少しました。
正直、ここまで急速に減少したのは、奇跡的なことだと思っていましたが、マクロン大統領は、この感染の減少を受けて、11月24日に段階的なロックダウンの解除を発表しました。
このまま、減少していくかと思いきや、新規感染者の減少はピッタリと止まり、(止まるどころか若干上昇傾向にあります)マクロン大統領が提示したロックダウン解除の条件の一つである、「一日の新規感染者数が5000人以下になっていた場合」をクリアできない可能性が高まってきました。
15日までには、残すところ、あと一週間と迫り、先週の一日の新規感染者数は平均10,500人程度、一週間で半減することは、まず不可能です。
考えてみれば、1万人に迫った時点で、ロックダウンを緩和し、小売店が一斉に営業許可になり、人がより外に出るようになり、毎週のように数万人単位のデモが起こり、気温も一段と下り、ロックダウンを緩和した状況で、感染がこれ以上減少する理由は一つもないのです。
にもかかわらず、フランス人は、ノエルを家族で迎える気、満々で、一度は、今年の家族の集まりはなしにしよう、あるいは、リモートにしようと言っていた人々も、やっぱり、家族で集まろうと計画し直している家庭が多いのです。
年配の人ほどリスクが高いにもかかわらず、あと何回ノエルを家族と過ごせるかわからないと思うのか、ノエルを家族と過ごすことに執着しています。しかし、命がけのクリスマスを楽しめる気持ちが私には理解ができません。
昨日、現在のこの感染状況を受け、保健総局長であるロックダウンおじさんことジェローム・サロモンが会見を開き、感染減少がストップしている状態を説明しました。
折しも、11月末にサンクスギビングデー(Thanksgiving Day)(感謝祭)を制限なしに祝ったアメリカで、再び、コロナウィルス感染が広まり、一日の新規感染者数が17万人を突破し、一日の死者数が1,000人以上を記録し、特に感染状態の深刻なカリフォルニア州は、再び、ロックダウンになっています。一日に17万人が感染とは、恐ろしい状況です。
このサンクスギビングデー後のアメリカの状況は、充分、ノエル後のフランスにも起こりうる状況です。
とはいえ、フランス政府は、恐らく、今さらノエルを家族で祝うことを禁止する勇気はなく、ノエル以外の制限解除、「映画館・劇場・美術館等の再開」を中止するか、外出制限の時間帯を変更するか、少なくとも24日と31日は、時間制限なしに外出が許可されるという点を廃止する方向に進むのではないかと私は、考えています。
現在の段階では、水曜日には、マクロン大統領が国防会議を開くことが報じられていますので、その会議で、15日のロックダウン解除がどのように変更されるかは、今週中には、明らかになると思われます。
わずか一ヶ月間で6万人から1万人前後まで感染が減少したフランスは、2週間で1万人から5千人に減少することも不可能ではないと考えていましたが、やはり、今回も事態を甘く見ていました。気温が1度下降するごとにウィルスは活発化し、感染率が上昇することは、もはや明らかで、現に、気温が低い地域での感染拡大が深刻になっています。
こうなってくると、ヨーロッパ内が制限緩和に移行し始めた中、唯一、手綱を緩めなかったドイツの対応が正しかったのではないかと思うのです。
どちらにしても、ノエルと年末年始の後の年明けには、第2波がおさまる前に第3波がやってくるのは、確実で、今回のこのノエル問題への政府の対応によって、第3波の波の高さが変わってきます。どうか厳しい措置をとって欲しいと思っているのは、私だけなのでしょうか?
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「コロナウィルス第2波 制限を緩和していくフランスと手綱を緩めないドイツ」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/11/blog-post_27.html
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