2020年12月16日水曜日

ロックダウン解除初日のフランス バカンス前の二日間は学校を休んでもいい


 


       

 フランスは、ロックダウン解除の第2段階に入りました。今朝、買い物に出かけようとして、思わず、携帯を手に取り、外出証明書をダウンロードしかけて、「ああ〜今日から、いらないんだった・・」と出かける時も何か忘れものをしているような、心許ない気分になりました。

 習慣というものは、恐ろしいものです。まあ、楽な方にはすぐに慣れますが・・。

 外出が自由になった代わりに、夜の外出禁止(夜20時までに家に帰らなければなりません)が義務付けられるようになりました。個人的には、夜は出歩かないので、関係ないのですが、20時以降も営業していた店舗にとっては、痛手になります。

 逆にロックダウン中には、時間帯の制限はなかったので、外出証明書さえあれば、夜も買い物に行けたわけで、お店は夜の時間帯も営業できていたのです。


20時閉店と朝8時から営業のお知らせ

 そんな状況を受けて、カーフールなどは、20時に閉店する代わりに、朝の8時から、時間を前倒しにして、営業するというフランスらしからぬ措置に出ています。

 これもひとえにノエルのなせる技、フランスが、寸暇を惜しんで営業するなど、通常ではあり得ないことです。

 ノエルがもうすぐそこまで近付いてきて、今週末からフランスの学校はノエルのバカンスに入りますが、ここへ来て、フランスの文部省は、ノエルを家族と過ごすために(祖父母と過ごすために)、ノエルのバカンスの2日前からは、学校を休んでもいいという通達を出しました。

 これは、「24日のクリスマスイブからちょうど一週間前から、自主隔離をして感染を防ぎましょう!」ということです。

 これは、あまりに急な通達で、ただでさえ、遅れている授業がさらに遅れることや、子供を学校に行かせないとなると、親も仕事に行けなくなるわけで、ノエルから年末にかけては、すでに、休みの予定にしている人が多い中、スケジュール調整は大人にとっても簡単ではありません。

 中には、学校側の衛生管理を信頼してもらっていないと怒り出す学校関係者などもいるのがフランスらしいところで、終いには、「これは、個人の判断で!この二日間は、学校を休む権利があるということです!」などと、若干キレ気味の対応。

 この二日間の学校を休みにする対策は、急なこともあり、混乱の元を増やしたような印象です。

 ここ数ヶ月で、○○日からロックダウン、これは、営業許可、これは禁止、それに加えて、時間の制限なども加わり、ただでさえ、規則を守ることが苦手なフランス人にとって、あまり細い規則の提示は逆効果になりかねません。

 しかも、半端な自己規制を行ったことで、家族と過ごすノエルの日、当日に気が緩む要因にもなりかねません。

 ロックダウン解除の初日、ノエルの犠牲になって、ロックダウンが解除にならなかった劇場、映画館関係者は、同日、オペラ・バスティーユに集まり、デモが行われました。

 移動制限が解除されたことから、TGV(新幹線)も通常運転に復活し、乗車率は、70%程度で、さっそくにスキーを担いで移動する人も見かけられ、(フランス国内はスキーはできないはずなのに・・)23日には、国内大移動のピークを迎えることが見込まれています。

 11月初旬のフランス国会で、「今後のスケジュールは、すべてのフランス人がクリスマスを家族と過ごすことができるように調整しなければならない」という野党の意見が大多数だったことに仰天していましたが、結果的には、全てノエルを照準に当てたスケジュールになっているフランス、間際になって、学校を二日間休みにするという付け焼き刃的な措置もまた、間違いなく、ノエルファーストなフランスの、それでも不安を隠しきれないジタバタした様子が浮き彫りになっています。


<関連>

「フランスの国会を騒がせる「フランス人のクリスマスを迎える権利」」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/11/blog-post_5.html

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